大阪アジアン映画祭上映作品/「アンニョン! 君の名は(ハロー・ストレンジャー)」

大阪アジアン映画祭上映作品
「アンニョン! 君の名は(ハロー・ストレンジャー)」


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(C) Gmm Tai Hub Co.,ltd.


 タイでは、TVドラマも海外旅行も韓国が大人気。そんな中、誕生したのがこの映画だ。韓国で見知らぬ二人が出会い、名も知らぬままに…というコメディー・ラブストーリー作品。軽快な主題歌がとても心地いい。韓国各地で大ロケーションを敢行し、映画を見ていると韓国旅行も楽しめてしまう。蛇足だが、カジノのシーンがあるのだが、おそらくソウルのウォーカー・ヒルでロケをしたものであろう。カジノでは撮影許可がそう簡単にはおりないのだが(カジノは24時間営業で、プライバシー重視のため)、実際にロケをしたのだとしたらすごい。
 この作品、おもしろい。後半は少し減速してしまうが、とてもテンポがいい。そして笑いのセンスもいい。決してくだらないドタバタで笑いを取ろうとはしていない。そういう意味ではタイ映画らしくない作品だ。主演男女優のコンビもいい。主演女優のヌンティダー・ソーポンは少々オーバー気味の演技だが、コメディーなのでそれがかえってよかった気がする。彼女は、この作品でスパナホン賞の主演女優賞を取っている。ラストはかなり引っ張っていたので曖昧に終わってしまうのだろうと思ったのだが、予想外の方法でみごとにフィニッシュを決めてくれたのには少々感動。
 主演男優は、「夏休み ハートはドキドキ!(Hormones)」<2008年>、「カミング・スーン(Coming Soon)」<2008年>に次ぐ3本目の出演となったチャンタウィット・タナセウィーだ。「夏休み ハートはドキドキ!」では蒼井そらの相手役を務めた人である。今回、なんと彼は脚本も担当している。主演女優のヌンティダー・ソーポンはTVドラマ出演はあるが、映画は今作が初めての作品となる。今までそれほど有名でなかった彼女は、この作品と共に大ブレークしてしまった。歌手でもあり、挿入歌「ラック・マイ・トーンカーン・ウェラー (รักไม่ต้องการเวลา)」も歌っている(作品中で歌っているのは彼女ではない?)。あと、おそらくだれも触れないであろうが、ツアーガイド役の女優さんが韓国人だかタイ人だかわからないが、おもしろく愉快な美人でとてもGoodだ。出番少なかったけど。
 この作品では、男女がお互いの名前を知らないまま一緒に旅をするというのがひとつの大きなポイントになっている。作中ではお互いに相手のことを「クン」(タイ語で「あなた」という意味で、英語では「you」にあたる)と呼び合っている。そしてこれでお別れだという時に
女: 「そういえばお互いの名前知らなかった」
男: 「そうだったね。あなたの名前は何?」
女: 「このまま知らない方がいいんじゃない?・・・・・・」
男:「そうだね。じゃ、行くね」
女: 「インディー・ティー・ルーチャック(お知り合いになれてうれしいです)」「じゃなかった。インディー・ティー・マイ・ルーチャック(知り合えなくてうれしいです)」
てな具合の掛け合いがあるのだが、このあたりがすごく楽しい。
 タイで公開されたのは2010年の8月19日で、韓流ブームに乗って?大ヒットを飛ばした。2010年に公開されたタイ映画の中では、最高の興行成績を上げている。監督のバンチョン・ピサンタナクーンは、他に日本でもDVD化された「心霊写真(Shutter)」<2004年>、「アローン(Alone)」<2007年>、「フォウビア(Phobia)」<2008年>、「フォウビア 2(Phobia 2)」<2009年>などを手がけているホラー系の映像に力のある人だ。単独で監督をするは今作が初めて。英題は「こんにちは!見知らぬ人」、原題は「かき回す 頭がふらふらする オーイオーイ(※大声で泣いている様子)」という意味。日本では、2011年「大阪アジアン映画祭2011」で上映された。

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あなたは知っていますか「ピー・マーク」?/ホラー「ピー・マーク プラカノーン」

あなたは知っていますか「ピー・マーク」?
ホラー「ピー・マーク プラカノーン」


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 3月28日タイで公開予定の「ピー・マーク プラカノーン(Pee Mak Phra Kanong)」のプロモーション動画です。この作品はタイの有名なホラー伝説「メー・ナーク・プラカノーン」を題材にしたものですが、コメディー・ホラーだとのことです。
 この動画には、日本でも公開された「ナンナーク(Nang Nak)」<1999年>に主演したインティラー・チャルーンプラや日本でDVD化された「609(Buppha Ratree)」<2003年>のチューマン・ブンヤサックが出てきます。
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大阪アジアン映画祭上映作品/「トップ・シークレット 味付のりの億万長者」

大阪アジアン映画祭上映作品
「トップ・シークレット 味付のりの億万長者」


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 実話を基にした、億万長者になったティーン・エイジャー少年のお金持ちへの道物語。2011年の興行では、US$1,279,000とヒットを飛ばしている。
 10代の少年であるトープは、学業や異性よりも事業を行うことに興味があった。そしていろいろな商売を試してみるが・・・というストーリー。コメディー色のない、100%まじめな人生ドラマとなっている。「お金儲け」がテーマであるにもかかわらず、お金に関わるいやらしさがないのにも好感がもてる。主演のパチャラ・チラーティワットはこの映画を製作したタイの最王手エンターテイメント会社グラミー好みの好男子だが、顔に似合わず?ひたむきな若者らしさがとてもいい。彼は、本作と同年に公開されヒットした「サック・シード(Suck Seed !!)」にも出ていた。1993年5月10日生まれなので、実際にティーンエイジャーだ。何も言わずにトープに協力するおじいさん役の男優も、心の温かさが出ていていい。
 どこまで実話に基づいて描かれているかは分からないが、ドラマティックな内容だ(そうでないと映画にならないかもしれないが)。もう少し、コンビニ・チェーンであるセブンイレブンとのやり取りを見てみたかった気もするが。映画では描かれなかった苦労もまだまだあるであろう。
 ソンヨット・スックマークアナン監督には、日本でも公開された「フェーンチャン ぼくの恋人(Fan Chan)」<2003年>や「フォウビア 2(Phobia 2)」<2009年>のバックパッカーのエピソード、「夏休み ハートはドキドキ!(Hormones)」<2008年>などの作品がある。
 原題は「億万長者のティーン・エイジャー」という意味。邦題を付けるのは簡単ではないだろうが、「味付けのりの億万長者」というのは笑ってしまう。

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「サンセット(クーカム/メナムの残照)」のSpot PromoteTrailer 2が公開

「サンセット(クーカム/メナムの残照)」
のSpot PromoteTrailer 2が公開


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 4月4日タイで公開予定の「サンセット(クーカム/メナムの残照/Sunset)」のSpot PromoteTrailer 2が公開されました。
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なんじゃこりゃ?「ピー・マーク プラカノーン」の特別映像が公開

なんじゃこりゃ?
「ピー・マーク プラカノーン」の
特別映像が公開


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 3月28日タイで公開予定の、ホラー伝説「メー・ナーク・プラカノーン」を扱った「ピー・マーク プラカノーン(Pee Mak Phra Kanong)」の特別映像が公開されました。なんじゃこりゃ?という内容です。
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大阪アジアン映画祭上映作品/「セブン・サムシング」

大阪アジアン映画祭上映作品
「セブン・サムシング」


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 GTH社(GMM Tai Hub Co., Ltd.,)の創立7周年記念作品(この7周年というのは、2004年が基準になっているようです。GTHはタイの大手エンターテイメント会社のGrammy系の映画会社で、「Grammy」という名前ではもっと以前から映画を製作しています)。三つのラブ・ストーリーのオムニバス作品。韓国のアイドル・グループ2PMのメンバーで、タイ人の父とアメリカ人の母を持つニチクン・バック・ホルベチクルが映画初出演していることでも話題となった。

【14】   
 ハイ・ティーンの学生プアン(カウ)とミル(パンパン)の愛とソーシャル・メディアの物語。プアンとミルは恋人同士でうまくいっていたが、プアンはミルと付き合っている様子を写真や動画でソーシャル・ネットワークにアップしたことから二人の間が・・・というストーリー。
 カウは「サック・シード(Suck Seed !!)」<2011年>で主演を、日本でもDVD化された「THE KING 序章 ~アユタヤの若き英雄~(King Naresuan Episode1)」<2007年>では準主役ともいえるプララーチャマヌー(ออกพระราชมนู)の子供時代を演じていた人である。パンパンは大ヒットホラー「ラッダー・ランド(Ladda Land)」<2011年>でスパンナホン賞・助演女優賞を取った人だ。
 ゲスト出演者もすごい。主演の二人が記念撮影しているところに突然コーイが出てきたと思ったら、その後ろにいるのはペーではないか。そして、チョークも一瞬だが出てくる。声は吹替えられているが、日本で公開された「フェーンチャン ぼくの恋人(Fan Chan ()」<2003年>のシーンも出てくる。
 全体的に若々しい感じが出ているのはいいのだが、なぜソーシャルメディアにアップした動画のアクセス数か伸びていくのかが観客には伝わらない。どう見ても普通の動画なので、すごいアクセス数を稼げるようには思えない。そして、オムニバスであるが故か、上映時間が少なく細部が描ききれていないという感じがしてしまう。
 タイトルの「14」というのは、たぶん14歳という意味。

【21/28】   
 水族館に勤めるダイバーのチョーン(サンニー・スワンメターノン)と女優メーム(クリット・ホーワン)の21歳の時と28歳の時の心の変化の物語。
 サンニー・スワンメターノンは作品中でだぶついた体を見せているが、あれは本当に彼が役作りのために太ったのだとか。また、彼は泳げなかったのだが、この作品のために練習したらしい。物語のメイン舞台となった水族館はバンコクのショッピング・モール「サイアム・パラゴン(サヤーム・パラゴン)」内にある「サイアム・オーシャン・ワールド(サヤーム・オーシャン・ワールド/Siam Ocean World)」。入場料は少々高いが、サメのいる水槽の中でのダイビングなどをすることもできる。
 髪の毛の色を何回も変えて登場してくる主演女優のクリット・ホーワンは、日本の映画祭で上映された「ヘッドショット(Headshot)」<2011年>、「バンコク・トラフィック・ラブ・ストーリー(Bangkok Traffic Love Story)」<2009年>などに出演しているので知っている人もいるであろう。タイでは大人気の人である。
 ゲスト出演はヌーナー、ピック、チャンタウィット・タナセウィーら。ヌーナーのスクリーン登場は、デビュー作の「アンニョン! 君の名は(Hello Stranger)」<2010年>以来だ。
 作品としては、ちょっとストーリー展開が雑なような気がする。盛り上がりはいまひとつか?ラストも余韻を残さずに次の作品にすぐ移ってしまうし。

【42.195】   
 愛する夫に先立たれた中年女性(クワン)と青年(ニチクン/ニックン)のマラソンを通しての物語。主演の映画初出演コンビがなかなかいい。クワンはつらい人生を送って来たという感じが出ているし、ニチクンはちょっと不思議な風貌だが(整形しまくり説がある)暖かさが出ている。クワンはニュース・キャスターなのだそうだ。この作品への出演がきっかけかどうかは分からないが、化粧品のコマーシャルにも出演している。作品的にもまとまっていて、この三作の中では一番いいのではないだろうか。原題の「42.195」とは、マラソン・レースの走行距離(km)のことである。

 GTH社の作品にはいい作品が多いのだが、この作品全体としてはいまひとつという感がある。タイのエンターテイメント・サイトSiam Zoneのユーザー評価でも7.88点(満点は10点。投票数107。2012年12月15日現在)とあまり高くないので、タイの人たちの評価もそうなのだろう。
 興行成績はUS$2,194,362と数字だけ見ればすごい数字だが、ヒット・メーカーのGTH社が大宣伝をかけた結果としては納得がいかない数字であろう。作品のエンド・ロールにも使われているが、女性歌手ダー・エンドーフィン(ดา เอ็นโดรฟิน)の歌う豪華出演者によるMV(作中とは若干内容が違う)がいい。
 パウィーン・プーリチットパンヤー監督には「フォウビア 2(Phobia 2)」<2009年>の中の「Novice(見習い僧)」、「フォウビア(Phobia)」<2008年>の中の「Deadly Charm」、「ボディー(Body)」<2007年>などの作品が、アディソン・トリーシリカセーム監督には「バンコク・トラフィック・ラブ・ストーリー(Bangkok Traffic Love Story)」<2009年>、「フェーンチャン ぼくの恋人(Fan Chan)」<2003年>などの作品が、チラ・マリクン監督には「メコン・フル・ムーン・パーティー(Mekhong Full Moon Party)」<2002年>などの作品がある。

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2012年のタイ映画界を振り返ります

2012年のタイ映画界を振り返ります


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左:「ATMエラー」     右:「クン・ナーイ・ホー」


 昨年の最終的な興行成績が出てきましたので、2012年のタイの映画興行界を振り返ってみたいと思います。2012年のタイにおける映画興行界は、全体的には好調だったようです。ただし、この好調さは外国映画が引っ張ったもので、タイ映画はいまひとつといった感じがします。なにせ、タイ映画は1月に「ATMエラー」が興行収入500万米ドル超えというタイ映画史上に残る記録を出したまではいいのですが、その後に続く作品がありませんでした。12月27日に公開された「クン・ナーイ・ホー」が300万米ドル超えを記録しましたが、興行期間のほとんどは2013年です。その分、2011年12月29日に公開された「バンコク・スウィーティー」が、US$2,788,735を上げてはいますが。200万米ドル超えも、「セブン・サムシング」と上記の二本を合わせたったの三本だけしかありませんでした。
 一方、外国映画は絶好調だったといえます。特に「アベンジャーズ(The Avengers)」のUS$7,935,363という数字は見事です。2003年以前の記録は持っていないので分からないのですが、2004年以降でいうと、これは2011年公開の「トランスフォーマー 3(Transformers 3)」のUS$9,705,898、2009年公開の「アバター(Avator)」のUS$8,414,866に次ぐ三番目の記録です。
 タイ国内外の作品で300万米ドル以上のメガ・ヒットを記録した作品は9本でした。2004年以降で(2003年以前は記録を持っていないので不明)、この数は2011年と並び最高の本数です。ただし、2011年は同じ本数なのですが、この年にはタイ王室によるヒット保証映画の「ナレースアン」シリーズが二本含まれています。ですので、昨年が事実上最高であったことになります。
 タイ国内作品を会社別でみるとGTH社とM-Thirtynine社の活躍が目立ち、タイの最大手映画会社ともいえるサハモンコン・フィルム社がさえなかったですね。この二社の好調さは、しばらく続く気がします。ただ、サハモンコン社は数多くの外国映画をヒットさせていますので、配給で利益を上げているので問題ないのかもしれません。また、最近全くさえなかった老舗映画会社のファイブ・スター社が、久々に「ゴースト・フライト407便」「3 エー・エム」という二本のヒット作を生み出したのも記憶に残ります。
 この年に公開されたタイ映画の全体的なクオリティーは悪くなかったと思いますが、話題作が少なかったような気がします。これが、タイ映画の盛り上がりに欠けた大きな原因の一つではないでしょうか。また、最近の傾向として、ほとんど宣伝をしないで公開されたり、予定になかったのに突然公開されたり、公開が何度も何度も延期になりやっと公開されたと思ったらコケてしまい二週間以内で姿を消してしまうという作品が多いような感じを受けます。これは、タイ映画界全体にとっていい傾向ではありません。
 日本に目を転じると、2012年に日本で公開されたタイ映画は0本(映画祭では数本が上映されていますが)。そして、ここ数年タイ映画のDVD化は少なくなかったのですが、日本でDVDがリリースされたタイ映画もたったの3本だけ。何ともさびしい限りです。

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MV「クン・ナーイ・ホー」


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大阪アジアン映画祭上映作品/「ATMエラー(ATM ウー・ラック・エラー)」

大阪アジアン映画祭上映作品
「ATMエラー(ATM ウー・ラック・エラー)」


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左:チョーク   右:チャルームポン・ティカマポーンティラウォン
(C) Gmm Tai Hub Co.,ltd.


 コンペティション参加作品です。とにかくおもしろい!!残念なのは、上映曜日・時間がよくないことです。映画祭上映作品の中で、当ブログのイチオシ作品です。

 コメディー作品。社内規律の厳しい日系の銀行JNBCを舞台にした笑いと愛の物語。社内恋愛禁止のルールがあるにもかかわらず、スア(เสือ)<チャンタウィット・タナセウィー>とチップ(จิ๊บ)<プリーチャヤ・ポンタナーニコン>は付きあっていた。そして結婚することになるが、会社の関係で二人の内どちらかは退職しなければならない。そんな時、プログラム・ミスのために、あるATM(現金自動預け払い機)で指定された二倍の現金を出してしまうという事件が起こる。その現金の回収を命じられたのがスアとチップであった。二人はこの事件を先に解決した方が会社に残るという掛けを始めたが・・・というストーリー。
 タイの最王手エンターテイメント・カンパニーであるグラミー系のGTH社による作品。全編笑いがばらまかれており、とてもおもしろく楽しい作品に仕上がっている。観客も、最初から最後まで笑いっぱなしという感じだ。この作品のストーリーは少々複雑で、日系企業と主人公二人の愛情の戦いだけではなく、二人の意地の張り合い、よけいにお金を受け取った人たちとの駆け引きなどの要素も入ってくるのだが、それをうまくまとめあげている。
 主演の二人(チャンタウィット・タナセウィーとプリーチャヤ・ポンタナーニコン)のコンビネーションがとてもいい。タナセウィーは「夏休み ハートはドキドキ!(Hormones)」<2008年>で蒼井そらの相手役をやった人だ。大ヒット作の「アンニョン! 君の名は(Hello Stranger)」<2010年>の主演もこの人。ポンタナーニコンは本作が映画デビュー作。コメディー・センスがあり、今後の活躍に注目したい。
 劇場でタイ人の観客にもっともうけていたのは、バンドSo Coolのボーカルでもあるチョークだ。強烈な個性を放っていた。彼も映画初出演のようだ(正確には、演技者としてではなくバンドとして「サック・シード(Suck Seed !!)」<2011年>に出演している)。支店長役の太った愛嬌のある体格のポーンクーン・スープスーン(Calories Blah Blahというデュオの一員。体に似合わず甘い歌声だ)もおもしろい。もう一人、出番はあまり多くないもののみごとなキャラクターを見せてくれた女優がいる。コープ(ก๊อบ)役のサナンタ・チャトン・トンパットピサーンで、とてもユーモラスだ。彼女もこの作品がデビュー作か?道化であるペート役(金歯の男性)のチャルームポン・ティカマポーンティラウォンは、日本でも公開された「フェーンチャン ぼくの恋人(Fan Chan)」<2003年>のいじめっ子役ででデビューし、今や脇役として引っ張りだこの人である。
 タイのエンターテイメント・サイトSiam Zoneのユーザー評価では、8.78点(満点は10点。投票数153。2013年2月現在)であった。興行収入は、US$5,057,554とタイ映画史上に残るメガ・ヒットを記録した。
 この作品のMVがとてもおもしろくルラー(ลุลา)が歌う主題歌「モーン・ダイ・テー・ヤー・チョープ(มองได้แต่อย่าชอบ)」がいい曲なのだが、物語の中ではまったく使われていない。使われているのは、本編終了後のタイトル・バック。しかもタイトル・バックの二曲目だ。観客がほぼ全員席を立った後にかかるので、非常にもったいない。
 監督のメート・タラートンは、日本の映画祭でも上映された「恋するリトル・コメディアン(The Little Comedian)」<2010年>の共同監督を務めた人だ。本作は、日本では第8回大阪アジアン映画祭で上映。

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「第8回大阪アジアン映画祭」のタイ映画関連来場ゲスト発表

「第8回大阪アジアン映画祭」の
タイ映画関連来場ゲスト発表


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 「第8回大阪アジアン映画祭」のタイ映画関連来場ゲスト(2月22日現在)が発表されました。まだ追加来場があるかもしれないとのことですが、下記の通りです。男優さんも女優さんもいないのですね。ちょっと花がないかな?

ヨンユット・トンコントゥン/ GTHプロデューサー
メート・タラートン/「ATM エラー」監督
パウィーン・プーリチットパンヤー/「セブン・サムシング」(14)監督
アディソーン・トリーシリカセーム/「セブン・サムシング」(21/28)監督
チラ・マリクン/「セブン・サムシング」(42.195)監督
ノントラー・クムウォン/「夏休み ハートはドキドキ!」脚本

 意外に人気がないのでしょうかタイ映画?タイ映画関連の前売りで、まだ完売になっている作品はないようです。「セブン・サムシング」はかなりの人気だと予想していたのですが。でも、油断は禁物ですので。

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タイ・ホラー、マーシャ主演の「ゴースト・フライト407便」 本日、日本で公開

ゴースト・フライト407便/407 Dark Flight


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 本日、日本で公開のタイ・ホラー作品です。シネマート 新宿、シネマート 心斎橋で公開されます。トレーラーを観て、あなたはこの作品を正視できる自信がありますか?

 ホラー作品。キャビン・アテンダントのニウ(マーチャー・ワタナパーニット)は、10年前フライトで恐怖の霊体験をしていたために休職していた。その復帰後、初のフライトが霊体験をした時と同じ機体であったのだ。そして、今回もプーケットへと向かうフライト中に霊たちが次々と襲いかかり・・・というストーリー。
 「タイ初の完全3Dホラー」をうたい文句に宣伝された。この作品より少し前に公開された「メー・ナーク 3D(Mae-Nak 3D)」<2012年>も、「タイホラー初の3D」をうたっている。「メー・ナーク 3D」の方が公開が早いのだが、完全ではなかったということなのであろうか?「完全」ではない3Dというのはどういうことなのか?作品の一部だけが3Dという意味なのであろうか?本作の舞台は狭い飛行機内。3Dというのは最低二方向からのカメラが必要なので、撮影がかなり大変だったようだ。この作品を劇場では観ていないので、3Dの効果のほどは不明なのだが。
 さて、内容はというとかなりの感動ものである。これほどの作品はそうはない。イタリアの三流ゾンビ映画でも、もっとちゃんと作っている。あまりのこっけいさに、おもしろく最後まで観れてしまう不思議な作品だ。おそらく、この作品を観て「なんだこの作品は!」と怒った人は多いと思うが、結構楽しめるのだ。
 タイのエンターテイメント・サイトSiam Zoneのユーザー評価では、5.73点(満点は10点。投票数41。2012年7月現在)ととても低いものだ。しかし、興行成績は興行収入US$1,133,343とヒットを飛ばしている。ファイブ・スター社の作品としては、久々のヒットとなった。これは主演のマーチャー・ワタナパーニットの人気ゆえか?「3D観たさ」ではないはずだ。なぜなら、この作品よりもちょっと前に公開された「メー・ナーク 3D」はコケてしまっているので。マーチャー・ワタナパーニットは、全盛期は過ぎたもののとても人気のある歌手&女優である。
 タイ映画の旅客機ものというのは非常に珍しい。というより、この作品以外に長編作品は知らない。機内の撮影はもちろんセットなのだが、この機内の様子はかなり突込みどころがあるお粗末なものだ。エコノミー席のはずなのに、席間距離(ピッチ)がかなり広いのだ。前後の席の間隔のことではなく、隣の席との間のことである。なにしろ、席間にある肘掛の幅がビジネス・クラス並みに広いのだ。そして機内の通路は、二台のカートがすれ違えるというすばらしい広さなのだ。こんな飛行機見たことがない。この機体の外観の撮影には、本物の飛行機が使われている。やや小さな飛行機だが機種は何なのだろうか?エンジンの形が違うのでB737ではない。エア・バスでもなさそうな気がするのだが。
 霊がパイロットの目を手で隠しているシーンがあるのだが、あれは何の意味があるのか?目隠しをしても、自動操縦で飛んでいるので何も問題は起こらないはず。そして、霊に占領されたと思われる操縦室のドアを斧で穴を開けて入ろうとするのだが、その時、穴が小さいからといって怖がる少女(パッチャリー・タップトーン)を説得して入らせる。なぜ少女に?穴が小さければ、もっと大きくすればいいだけの話である。DVDによる小さな画面で観ると分かりにくいのだが、劇場の大画面で観ると、実はこの穴はかなり大きく大人でも十分に通れるほどだなのだ。
 (ここからちょっとネタバレあり)作品のクライマックス、この少女がものすごいことをする。彼女、普段からフライト・シュミレーション・ゲームで遊んでいるのだが、彼女が飛行機を操縦して着陸することに・・・そんなバカな!それに、飛行機の機種が違えば操縦席の仕組みはまったく違うはず。ゲームと乗っている機種が同じでなければ、操縦は不可能なはずだ。いくら映画といってもこれはひどすぎると思っていたら…。そして、素人があんな簡単に着陸できるはずないではないか。だいいち、滑走路へどうやってまっすぐに進入したというのか?作中では自動操縦で着陸するということになっているのだが、実際にはそのようなことはできない。それに、地上を走る乗用車のように急ブレーキをかけるのだが、飛行機であれは無理でしょう。とにかく、すごい驚きのストーリー展開なのだ。
 また、あとから考えてみると、いろいろと疑問点が出てくる。10年前の事故で、主人公のニウは一人だけ生き残ったことになっている。だとしたら、10年前には誰が飛行機を着陸させたというのか?ニウが着陸させたということか?。それに、10年間この飛行機は使われ続けていたことになる。ならば、その間どうして霊たちは出て来なかったのか?ニウが標的だったのならば、今回ニウだけを殺せばすむ話である。まあ、映画ですのでね。
 飛行機が飛び立つとすぐに非常時の説明が行われるが、これがとても愉快だ。キャビン・アテンダントたちが、音楽に乗って踊りながら説明するのである。これって、実際にどこかの航空会社がやってますよね。そう、フィリピンのセブパシフィック航空が2010年から始めたもの。でも、その踊るキャビン・アテンダントの中に、主演のマーチャー・ワタナパーニットがいないのはがっかり。さすがに、大スターの彼女にそんなことはさせられないということなのだろうか?だが、キャビン・アテンダント役のトランスジェンダー歌手として有名なベル・ナンティターは、メインで踊っていた。
 そうそう、この作品の大きな特徴のひとつでもあるのだが、出演者が突然消えるのだ。ストーリー展開上消えるのではなく、本当に作品の中から突然消えてしまうのだ。その一人がベル・ナンティターなのだが、気が付いた時にはもういなくなっていた。彼女殺されてしまったのであろうか?だとしたら死体はどうしたのだろう(途中、顔の見えない二人のキャビン・アテンダントの倒れている姿があったので、たぶんあの片方が彼女だったのであろう)?
 出演者の中では、少女キフ役のチョーイが叫びまくっていてB級ホラーにはもってこいの演技だった。また、その父親のプラーイは、やさしさがにじみ出ていて良かった。だが、この作品の中でベスト演技賞は母親役のエーだ。意地の悪い女性を熱演していた。映像の中では分かりにくいが、この人、意外に美人だ。
 Room39が歌う主題歌「サタニースット・ターイ(สถานีสุดท้าย)」が、ムードがあってなかなかいい。とにかく、他人にはとてもお勧めできないが、それなりにおもしろい作品となっている。感動ものである。イサラー・ナディー監督は「世界一怖いホラー映画の製作」を目的とした7人の監督によるユニット「ローニン・チーム(Ronin Team)」のメンバーで、本作が単独で監督する初めての作品。共同監督の一人として、「アート・オブ・ザ・デビル 2(Art of the Devil 2/ลองของ)」<2005年>を監督している。原題は「霊フライト407便」という意味。

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プロフィール

asianet

Author:asianet
 初めてタイ映画を見たのは、東京の渋谷で行われたタイ映画祭。そこで「サラシン橋心中」など社会派作品を見てタイ映画もやるもんだと思ったのですが、その次にタイ映画に出会ったのは何年も後のことで国際線の飛行機内でやっていた「マッハ」。これすごいぞと思ったのでずか、そこまででした。そして仕事の関係で「アタックナンバーハーフ」を見なければならなくなり、いつの間にかタイ映画に病みつきに・・・。

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