小僧たちの青春映画、タイ版「一休さん」? /「アラハン・サマー」
コメディー・ドラマ。親たちは、いたずら盛りの子供たちを夏休みの間出家させることにした。先輩僧のバイブン(タチャポン・チョムドワン)が、ネン(子供たち)の監督を命じられる。しかし、子供たちは遊びたくてしょうがない。そして25年後、共に同時期に出家した仲である二人が、偶然、空港で再会し…というストーリー。
この作品は、ある意味において青春映画で、ある意味人間ドラマでもある。コメディー色はそれほどは強くない。しかし、最後には誘拐事件が起き、幽霊まで登場してくるのはいかにもタイらしい。全体的に、ストーリーが弱過ぎる気がする。タイでも有名な日本のアニメ「一休さん」の要素も登場するのだが、これまた弱い。ここまでストーリー性が弱いのであれば、もっとコメディー色を強くしてドタバタさせた方がいい。
作品の最初と最後にちょっとした人間ドラマが展開されるのだが、残念ながらそれも弱い。この作品で一番印象的なのは、愉快な女の子を演じた名コメディエンヌのカチャナターニヤー・シーロートワタナ(名前の確認が取れていないが、この人だと思われる)だ。愛嬌があってとてもおもしろかった。
興行収入はUS$714,881。タイのエンターテイメント・サイトSiam Zoneのユーザー評価では、6.43点(満点は10点。投票数23。2013年11月現在)であった。
パワット・パナンカシリ監督には、「ルット・シー・ルット(Lud See Lud)」<2011年>の中の第三作目、「シャドウ・オブ・ナーカ(The Shadow of Naka)」<2010年>、「シックス(Six)」<2004年>などの作品がある。原題は「羅漢(阿羅漢) 夏」という意味。
[詳細] タイ映画ライブラリー
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