タンワーリン・スカピシット監督によるホラー「ターイ・ホーン (ダイ・ア・バイオレント・デス)」

タンワーリン・スカピシット監督によるホラー
「ターイ・ホーン (ダイ・ア・バイオレント・デス」
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 大阪アジアン映画祭で上映された「すご〜い快感(フィン・スゴイ/Fin Sugoi)」<2014年>のタンワーリン・スカピシット監督(共同監督)によるオムニバス・ホラーです。そう、あの監督がホラーも撮るのですよ。スカピシット監督が担当したのは「ソップ・ナイ・テーン・ナム」です。

 4つのストーリーからなるオムニバス・ホラー。プラナコーン・フィルム作品。いずれの話も、新聞に掲載された事件を基にしたものだそうだ。作品と作品の分かれ目がはっきりしていないので、オムニバスだということを知らないで見るとちょっと???となる。どの作品の内容もいまひとつか?怖さにもやや欠けている。

【ファップ・ファイ・マイ】 ★
 若い夫婦はとても愛し合っていたが、ある日、けんかした状態でクラブへと赴いた。そこで火事が起こり、妻は…というストーリー。
 実際に起こった参考にしたと思われる火事は、当時、かなり話題となった。おそらく、2009年1月1日、バンコクのエーカマイにあるクラブ「サンティカ(ANTIKA)」のカウント・ダウン・パーティーでの事故が元になっている。50人以上の方がなくなり、日本人の犠牲者も出てしまった。この事故を知っている人も多いであろう。それにしても、事故から約一年で映画化とは早い。
 内容に関しては、ストーリーが、現在、過去、夢の中、死後の世界と交錯しているので、かなり分かりにくい。オムニバスなので一本当たりの時間がないせいもあるが、カップルのの人間描写がいまひとつだ。

【クック・コーン・プラープ】 ★
 留置場に入れられた男が、霊の出現に悩まされ…というストーリー。一番手の「ファップ・ファイ・マイ」から映像が完全につながっているので、最初、作品が変わったのかどうか判断に苦しんでしまった。内容的にはいまひとつ。霊が出て男を苦しめているのは分かるのだが、それ以上の内容がないのだ。恐い雰囲気は出ているのだが。

【ソップ・ナイ・テーン・ナム】 ★★★
 アパートに住む女工のヌアン(スパクソン・チャイモンコン)。彼女はアパートの水がくさいことに気付き、オーナーに何度も訴えるが聞き入れられなかった。ある日、屋上の給水タンクへと向かう人影を見つけ…というストーリー。
 セクシー女優のスパクソン・チャイモンコンが主演。といっても、セクシー・シーンは全くない(シャワーあがりの姿のシーンはあるが)。彼女の、古びたアパートに住むどんくさい?おばさん姿もなかなかいけている。出演作は、日本の映画祭で上映された「手あつく、ハグして(Handle Me with Care)」<2008年>、日本でもDVD化された「マッハ!ニュー・ジェネレーション(Bangkok Knockout)」<2010年>、「ブレイブ・ファイターズ(Brave)」<2007年>、「マッハ! エンジェル MACH! ANGELS(Dangerous Flowers)」<2006年>、「アート・オブ・デビル(Art of the Devil)」<2004年>、「ラスト・ウォリアー(Kunpan: Legend of the War Lord)」<2002年>、「ZODA ゾーダ(The Trek)」<2002年>と多い。
 短編なので、深く描けないのは仕方ないかもしれない。ただ、もう少し何か欲しかった気はする。恐さは、タイ・ホラーとしてはまあまあだ。
 タンワーリン・スカピシット監督には、日本の映画祭で上映された「すご〜い快感(フィン・スゴイ/Fin Sugoi)」<2014年>、「愛なんていらない (イット・ゲッツ・ベター/It Gets Better)」<2012年>や「ハック・ナ サーラカーム(Hug Na Sarakham)」<2011年>、「イン・ザ・ネーム・オブ・シン(In the Name of Sin)」<2006年>などの作品がある。

【ピー・マーンルート】 ★★★★
 街娼(マイ・チャルーンプラ)が、バイクに乗った二人の男性に買われてモーテルへ行く。彼女は、客がシャワーを浴びているすきに持ち物を物色して外へ出るが…というストーリー。
 有名な歌手&女優であるマイ・チャルーンプラが、街娼の役をやるとはすごい。しかも、それだけではなく、貞子のような霊のふりをしたりコミカルな動きをしたりと大変おもしろい。彼女の演技は見ものだ。マイ・チャルーンプラの映画出演は多く、日本でもDVD化された「人肉ラーメン(Meat Grinder)」<2009年>で人肉をラーメンに入れて売っていたおばさん役をやっていた人である。
 この作品は、霊よりもモーテルの受付の老婆(ワーサナー・カラーコーン)の方がはるかに怖い。ラストは、ちょっとしたサプライズでいけている。
 余談だが、街娼が車から物色しているお客に対して無言で指を三本立てるシーンがある。これは、料金が「3」であることを示しているのだが、「3」とは300B(約900円)?、それとも3000B(約9000円)なのか?次のシーンで、それが300Bであったことが判明する。本当にそんなに安いのか?ちなみに、バイクでやって来た次の客は、二人で500B(約1500円)というのを値切って350B(約1050円)で交渉が成立していた。
 タイトルの中の「マーンルート」とは「カーテン」の事だが、転じて「モーテル」を意味している。モーテルの部屋の入口には、中が見えないようにカーテンが掛けられているので。
 ポット・アーノン監督には、日本でもDVD化された「マッハ! エンジェル MACH! ANGELS(Dangerous Flowers)」<2006年>や「スパイシー・ビューティー・クイーン ・イン・バンコク 2(Spicy Beautyqueen In Bangkok 2)」<2012年>、「ホー・テーオ・テーク 4 ヘーク・ムワークムワーク・コック(Hor-Taew-Tak 4 Haek Mak Mak)」<2012年>、「ホー・テーオ・テーク 3(Hor Taew Tak 3)」<2011年>、「アンボーン・チャイルド(The Unborn Child)」<2011年>、「オー・マイ・ゴースツ(Oh My Ghosts!)」<2009年>、「イン・ペー・レー・セーマクーテ(スリー・クリップルズ/Yen Pe Le Semakute/Three Cripples)」<2007年>、「バンコク・ラブ・ストーリー(Bangkok Love Story)」<2007年>、「ホー・テーオ・テーク(Hor Taew Tak)」<2007年>、スパイシー・ビューティークイーン・イン・バンコク(Spicy Beautyqueen in Bangkok)」<2004年>などがある。

 「18歳超視聴可」の年齢制限が付いている。興行収入はUS$958,573。タイのエンターテイメント・サイトSiam Zoneのユーザー評価では、6.80点(満点は10点。投票数50。2014年1月現在)であった。原題の「ターイ・ホーン」とは、「惨死」という意味。

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Author:asianet
 初めてタイ映画を見たのは、東京の渋谷で行われたタイ映画祭。そこで「サラシン橋心中」など社会派作品を見てタイ映画もやるもんだと思ったのですが、その次にタイ映画に出会ったのは何年も後のことで国際線の飛行機内でやっていた「マッハ」。これすごいぞと思ったのでずか、そこまででした。そして仕事の関係で「アタックナンバーハーフ」を見なければならなくなり、いつの間にかタイ映画に病みつきに・・・。

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