消化不良感が残る、劇中オムニバス・ホラー/「悪夢の夜に震える事実」

悪夢の夜に震える事実/Bangkok Haunted


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 オムニバス・ホラー作品。劇中オムニバス形式になっており、「踊り子の腕」「媚薬」「復讐」の三話から構成されている。カフェで、三人の女性がそれぞれが持ち寄った恐怖話を聞かせ、そのストーリーを話した本人がその話の主人公を演じている。


【踊り子の腕(Legend of the Drum/ท่อนแขนนางรำ)】 ★★
 ある日、古物商を営むチアップ(ピムシリー・ピムシー)の家に、心当たりのない荷物が届いた。中を開けてみると、おおよそ70前のものと思われる古い太鼓が入っていた。彼女は、太鼓の正体を調べようとする。そんな時、彼女の不在中にボーイ・フレンドが自宅を訪ねて来るが…というストーリー。
 何を言いたいかは分かるのだが、ディテールがちゃんと描かれていないので理解困難だ。特に、踊り子とその兄がどうなったのかの結末と、最後にチアップがどうなったのかがとても分かりにくい。そのために、作品はストーリー半ばで終わってしまっているような感じを受けてしまう。結構、厳しい内容だ。原題は、「踊り子の腕の断片」という意味。

【媚薬(Black Magic Woman/น้ำมันพราย)】 ★★
 バンコクに住む女性Panは、バンコクという大都会の中でもがいて生活していた。ある日、友人から「Black Magic Woman」という媚薬を紹介される。彼女はそれを使い意中の男性を仕留めようとするが、次第に彼女自身が薬におぼれてしまい…というストーリー。
 この作品も第一話同様、特にラストがはっきりとしない。そのために、またしてもこれで終わりなの?という感じを受けてしまう。原題の「ナムマンプラーイ」とは、死体から抽出する媚薬のこと。有名なホラー伝説「メー・ナーク・プラカノーン」では、死んで埋葬されたナークが、自分の体からこのナムマンプラーイを取ろうとする輩に腹を立てるシーンがある。

【復讐(Revenge/จองเวร)】 ★★★
 若い女性の首つり死体が発見される。刑事のNop(ピート・トーンチュア)は自殺ではなく殺人事件だとにらむが、上司は自殺で決定だと断言する。それでもNopは捜査を続け、あやしい二人を見つけ出す。一人は、歳の離れた中年の亭主(コーウィット・ワッタナクン)。もう一人は、彼女の元ボーイ・フレンドだ。Nopは、二人を追いつめるが…というストーリー。
 三作の中では一番出来がいい。ストーリー構成のアイデアや、最後に明かされる自殺のトリックも悪くない。だが、やはりラストが甘い。それと、サプライズのつもりかもしれないが、突然、ラストで刑事と死んだ女性は知り合いだと言われても観客は困ってしまう。原題は「仇討ちをする」という意味。


 作品の最後にはアッと驚かせる(つもりであった)ラストが用意されているが、演出がいまひとつでまったくの空振りに終わっている。とにかく、この作品は全体的に消化不良を起こしそうな作品になっている。恐さという点では、タイ・ホラーとしてはまあまあという感じだ。もう少し詳しく言うと、雰囲気はそれなりに怖いのだが、霊のメーキャップはお化け屋敷レベルだ。
 タイのエンターテイメント・サイトSiam Zoneのユーザー評価では、6.2点(満点は10点。投票数5。2014年3月現在)であった。
 ピスット・プレーセーンイアム監督には、「オールド・マッド・ロック(Old Mad Rock)」<2003年>などの作品がある。オキサイド・パン監督には、日本で公開された「バンコク・デンジャラス(Bangkok Dangerous)」<2008年/アメリカ/共同監督>、「リサイクル -死界-(Re-Cycle)」<2006年>、「アイ 3(the Eye 10)」<2005年/共同監督>、「アイ 2(The Eye 2)」<2005年/共同監督>、「テッセラクト(The Tesseract)」<2003年>、「ワン・テイク・オンリー(One Take Only)」<2001年>、「アイ(the Eye)」<2001年/共同監督>、「レイン(Bangkok Dangerous)」<2000年/共同監督>、「タイムリセット 運命からの逃走(Who is Running?)」<1997年>、日本でDVD化された「バレット・ブレイク 謎のボックス(Bite Till Die: Killing Box)」<2006年>、「バレット・ブレイク 死のカード(Bite Till Die: Card of Deth)」<2006年>などのさくひんがある。
 原題は「三足の霊」と訳すのか?「3B(バーツ)の霊」と訳すのだろうか?それにしても、英題が「バンコク幽霊屋敷」で邦題が「悪夢の夜に震える事実」。この邦題はいったい何なのだろうか?




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Author:asianet
 初めてタイ映画を見たのは、東京の渋谷で行われたタイ映画祭。そこで「サラシン橋心中」など社会派作品を見てタイ映画もやるもんだと思ったのですが、その次にタイ映画に出会ったのは何年も後のことで国際線の飛行機内でやっていた「マッハ」。これすごいぞと思ったのでずか、そこまででした。そして仕事の関係で「アタックナンバーハーフ」を見なければならなくなり、いつの間にかタイ映画に病みつきに・・・。

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