三つの不思議な物語/「イズ・アム・アー ア・リーズン・トゥー・リブ・フォー」

ドラマ?三つの物語(「フェー(Fay/เฟย์)」「ター/クート/ワー(Ta/Kerd/Wa/ถ้า/เกิด/ว่า)」「シャドー(Shadow/เงา)」)から成るオムニバス。インディペンデント作品。劇場限定(エーペックス系)で公開。ポスターはセクシー系だが、その手の作品ではなく年齢制限も「15歳超視聴可」。原題は「息の理由」と訳すのか?
【「フェー(Fay/เฟย์)】 ★
「I am not what I once used to be, I am what I am」。若いジャーナリストは、10年前の有名な歌手フェーの謎の死の調査をするが…というストーリー。
監督のパッサウィーピット・ソーンアッカラパーはベテラン女優&モデルで、本作が初監督作品。とにかく、何が何だかわからない。過去の死を調べているということなので、映像が現在と過去を行き来するのは仕方ないのだが、ストーリーがあまりにも分からない。謎の作品だ。作品の映像もミステリアス。原題の「フェー」は、作中に登場する死んだ歌手の名前。
【ター/クート/ワー(Ta/Kerd/Wa/ถ้า/เกิด/ว่า)】 ★★
ある日、老人はバスを待っていた。バスが到着すると、青年はバスから降りてきた。その時、二人の体が触れ人生が交錯してしまい・・・というストーリー。
要するに、老人と青年の体が入れ替わってしまうという内容だ。しかし、よくある体の入れ替わりではなく、老人となった青年はそのおかげでいろいろなことを悟っていく。この作品が三本の中では一番おもしろいが、物足りなさが残る。
そして、どうしても違和感を感じてしまうのは、体が入れ替わる瞬間のことだ。老人は、バスを待っていて到着したバスに乗り込む。その時、バスから降りてきた青年と体が触れて肉体が入れ替わるのだ。だが、変なのは、老人の体はバスに乗ったのだが心が青年になっているのだ。青年はバスから降りてきたはず。だから、体は老人でも、青年はバスから降りていなければおかしくないか?このあたりは、物語設定にもう少し工夫が必要だろう。
【シャドー(Shadow/เงา)】 ★
二人の子連れの売春婦の物語。彼女はどうして売春になったのか…というストーリー。この作品は、売春婦と後に売春婦となる妻を捨てた男との二元中継のような構成なっている。残念だが、この作品もストーリーが今一つ意味不明だ。ラストも、ここで終わるの?という感じになっている。

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