タイ・ホラーにしては珍しく怖いオムニバス作品/「ターイ・ホーン ターイ・ヒアン」

ターイ・ホーン ターイ・ヒアン/Taihong Taihien


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 ホラー作品。プラナコーン・フィルム作品。四つのストーリーのから成るオムニバスで、「ターイ・ホーン(ダイ・ア・バイオレント・デス/Tai Hong/Die a Violent Death)」<2010年>のパート2。全体的には脚本力がいまひとつなのだが、タイ・ホラーにしては珍しく恐怖感は十分に味わえる。短編とはいえ脚本がしっかりしていれば、名作になっていたであろうにと思う。残酷性のため?「18歳超視聴可」という年齢制限が付けられている。

【14(ロット・トゥー「トック・ターン・ドゥアン」/รถตู้ “ตกทางด่วน”】 ★★★
 OLのエーン(ピムチャノック・ルーウィセートパイブーン)には恋人の男性がいたが、彼にはエーンと知り合う前からガール・フレンドがいたのだ。エーンは会社で残業を終え、自宅へ帰るためにロット・トゥーに乗り込むが…というストーリー。
 ストーリー的には、ラストを強引にまとめてしまった感じ。霊の行動には、あまり説得力がない。主人公のエーンは、悪いことはしていないのでは?と思う。だが、全体的に恐怖感は出ている。
 ピムチャノック・ルーウィセートパイブーンは、日本の映画祭で公開された「ア・クレージー・リトル・シング・コールド・ラブ (ファースト・ラブ/A Crazy Little Thing Called Love/First Love)」<2010年>の主演女優。日本でDVD化された「マッハ!ニュー・ジェネレーション(Bangkok Knockout)」<2010年>にも出演し、日本のAV女優辰巳ゆいとは「ラブ・サマー(Love Summer)」<2011年>で共演した。かなり、感じが大人っぽくなってきた。だが、彼女は映画出演時、まだ21歳だ。原題は「ロット・トゥー 高速道路に落下する」という意味。

【16(ソーン・ピー「ター・ロー・ソーイ 9」/ซ่องผี "ท่าล้อซอย 9")】 ★★★
 三人の青年が、ター・ロー・ソーイ9という道にある怪しげな娼館へ遊びに行く。そこにはひな壇(金魚鉢)があり、16番を付けた美女が…というストーリー。
 本オムニバスの中で、この作品だけコメディー的要素が入っている。しかし、タイお得意のばかげたホラー・コメディーではない。それが、怖さの中でワサビの効いた笑いになっていて、なかなかいいのだ。残念なのは、いくら短編とはいえこの作品もラストを無理やりまとめた感じになっていることだ。まとめたというより、やや尻切れトンボ状態になっている。ちょっともったいない気がする。
 娼館のママさんを演じていたのは、日本の映画祭で上映された「すご〜い快感(フィン・スゴイ/Fin Sugoi)」<2014年>、「愛なんていらない (イット・ゲッツ・ベター/It Gets Better)」<2012年>や「ハック・ナ サーラカーム(Hug Na Sarakham)」<2011年>、「ターイ・ホーン(Tai Hong)」<2010年>の中の「ソップ・ナイ・テーン・ナム(Revenge)」、「イン・ザ・ネーム・オブ・シン(In the Name of Sin)」<2006年>を監督したタンワーリン・スカピシットだ。

【15(「ピー」 ナイ・チョーン・エー/"ผี" ในช่องแอร์)】 ★★
 古い安宿に泊まった青年。何かの気配がするのだが…というストーリー。
 この作品も怖さは出ている。だが、ストーリーに説得力がない。なぜこの青年が霊に狙われるのかは最後に分かるのだが、ストーリー構成に少々問題ありだ。最後の最後に、なんとアナンダー・エバリンハムが登場してくる。彼は、日本の映画祭で上映された「ウモーン・パー・ムアン - 羅生門(アウトレイジ/The Outrage)」やDVD化された「レッド・イーグル(Red Eagle)」<2011年>、「メモリー(Memory)」<2008年>、「ランカスカ海戦 パイレーツ・ウォー(Queens of Langkasuka)」<2008年>、「ミー・マイセルフ 私の彼の秘密(Me...Myself)」<2007年>、「心霊写真(Shutter)」<2004年>などに出演している。
 ポット・アーノン監督には、日本でもDVD化された「マッハ! エンジェル MACH! ANGELS(Dangerous Flowers)」<2006年>や「スパイシー・ビューティー・クイーン ・イン・バンコク 2(Spicy Beautyqueen In Bangkok 2)」<2012年>、「ホー・テーオ・テーク 4 ヘーク・ムワークムワーク・コック(Hor-Taew-Tak 4 Haek Mak Mak Kok )」<2012年>、「ホー・テーオ・テーク 3(Hor Taew Tak 3)」<2011年>、「アンボーン・チャイルド(The Unborn Child)」<2011年>、「ターイ・ホーン(Tai Hong)」<2010年>の中の「ピー・マーン・ルート(Haunting Motel)」、「オー・マイ・ゴースツ(Oh My Ghosts!)」<2009年>、「イン・ペー・レー・セーマクーテ(スリー・クリップルズ/Yen Pe Le Semakute/Three Cripples)」<2007年>、「バンコク・ラブ・ストーリー(Bangkok Love Story)」<2007年>、「ホー・テーオ・テーク(Hor Taew Tak)」<2007年>、スパイシー・ビューティークイーン・イン・バンコク(Spicy Beautyqueen in Bangkok)」<2004年>などがある。原題は「霊 換気口の中」という意味。

【13(トゥップ「カム」/ทุบ "กรรม")】 ★★★
 青年(ピチャヤ・ニティパイサーンクン)は好きな年上の女性(マナットナン・パンルートウォンサクン)とけんかし、彼女を殺してしまう。その死体を車で運び、始末しようとするが…というストーリー。
 作品の前半と後半とでは、恐怖を与える側が完全に逆転してしまう。前半は青年が男性二人に恐怖感を与えていたのだが、後半にはその青年が霊に追われる立場になる。ストーリー的には、この辺が弱点かもしれない。また、青年がなぜ女性を殺したのかがなかなか分からないのも、観客としては作品に感情移入ができない大きな要因だ。
 だが、この作品もそれなりに怖い作品に仕上がっている。そして、4本の作品の中では一番残酷だ。おそらく、「18歳超視聴可」という年齢制限が付けられたのは、この作品が入っていたからであろう。
 タイのホラーでは珍しく、霊のメーキャップに怖さ(というか気持ち悪さか?)が出ている。この霊&殺された女性を演じていたのはマナットナン・パンルートウォンサクン。映画出演時30歳。TVドラマの「クーカム 2(Koo Gum 2/The Sunset at Chaopraya 2)」で主演女優を務めた人だ。映画の出演数は少なく、劇場用はこれが4本目で日本で紹介された作品はない(2014年4月現在)。比較的長セリフのすごい形相で怒鳴り散らすシーンがあるのだが、「クーカム 2」でもわめき散らしていた。この人の真骨頂といえるかも。彼女はメーキャップして出て来るので、素顔が最後の方にならないと分からないのはかわいそう。多分本人自身が演じているのだと思うが、ラブ・シーンできれいな背中を見せてくれている。
 タナドン・ノワンスット監督には、「ラブ・コンカー・オール(ラブ・アット・ファースト・フラット/Love Conquer All/Love at First Flood/Rak Aow Yu)」<2012年/共同監督>、「イントルーダー(The Intruder)」<2010年/共同監督>などの作品がある。原題は「叩き潰す 業」という意味。

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Author:asianet
 初めてタイ映画を見たのは、東京の渋谷で行われたタイ映画祭。そこで「サラシン橋心中」など社会派作品を見てタイ映画もやるもんだと思ったのですが、その次にタイ映画に出会ったのは何年も後のことで国際線の飛行機内でやっていた「マッハ」。これすごいぞと思ったのでずか、そこまででした。そして仕事の関係で「アタックナンバーハーフ」を見なければならなくなり、いつの間にかタイ映画に病みつきに・・・。

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