609号室の愛を邪魔するものは許さない 「609 (ロク マル キュウ)」

609 (ロク マル キュウ)/Buppha Ratree (Rahtree: Flower of the Night)


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 コメディー・ホラー。金持ちの息子である大学生のエーク(クリット・シプームセート)は、友人との間で、同じ大学の医学部に通う物静かな女性ブッパー<ブップパー>(チューマーン・ブンヤサック)を抱けるかどうかの賭けをした。ブッパーは、古いアパート(オスカー・アパートメント)の609号室に住んでいた。ブッパーはエークの攻勢についに落ち、関係を結んでしまう。しかし、その後、エークからの連絡は途絶えてしまった。二ヵ月の月日が経ち、ブッパーは妊娠していることが分かる。すると、突然エークが現れたのでそのことを話すと、将来結婚すると約すがお腹の子供をおろすように頼まれ承諾する。闇医者でおろし、エークとブッパーはアパートへと戻って来た。そして、エークは「お粥を買いに行ってくる」と言い残し外へ出て行ったきり帰っては来なかった。その後、彼はイギリスへ留学してしまう。やがて、アパートの609号室には幽霊が出るとのうわさが…というストーリー。
 この作品はシリーズ化され、全部で4作品が作られている。全作とも同じユッタルート・シパパーク監督がメガホンを取っている。コメディー・ホラーといっても、おちゃらけではなく結構怖い。作品の中には、ホラー、コメディー、恋愛、男の浮気性、セクシーさ、映画、宗教、麻薬問題などなど盛りだくさんにかなり多くの要素が含まれている。
 作品の冒頭には霊は出てこないが、静かで暗い陰鬱なムードが漂うドラマになっている。ある意味、この部分の映像が作中では一番怖いかもしれない。そして、主演女優であるチューマーン・ブンヤサックの暗い影のあるかわいらしさがたまらない。
 中盤は、霊が登場したというのにコメディー色が強くなる。だが、タイ映画お得意のどうしようもないドタバタではなく、結構笑える適度のドタバタなのだ。ちょっとだけセクシー・シーンも出てくるが、この程度なら(特に毛布の中のシーン)なくてもいい。後の人気セクシー女優であるチューマーン・ブンヤサックが肌を見せてくれたのは、ベッドの中のシーンで肩から上のみ(毛布の中のシーンは、本人ではないであろう)。それでも、何だか色っぽさを感じてしまうのだが。
 ブッパーが霊となった後、彼女はいろいろな姿で登場してくる。人間の姿、半分霊の姿、完全な霊の姿と場面場面で使い分けているが、霊のメイクがタイ映画にしては少し怖いものになっている。どのタイ・ホラーも、せめてこの作品くらいメイクをしてくれたらホラーとして成立するのだが。
 終盤は、コメディー的要素もあるもののホラー性が中心となる。チョムプーヌット・ピヤパニーのセクシー・シーンもあるのだが、肌は見せていない。だが、映画館で男女の行為を行うというのは、タイ映画にしてはちょっとすごい。そして、のこぎりを使った残酷シーンも登場する。最後はどうやってストーリーをまとめるのかと思ったら、ラストは少々アッと驚かされる細工が用意されていた。ただ、エークが○○だとするとちょっと話のつじつまが合わないのだが、ちょっとしたサプライズでおもしろい。
 作中には、三本の映画名が登場してくる。部屋番号の関係で、日本でも公開されたタイ映画のヒット作「シックスティナイン(6ixtynin9)」<1999年>が。そして、セクシーものの「シン・シスターズ(Sin Sisters)」<2002年>。また、「エクソシスト(The Exorcist)」<1973年/アメリカ>は、名前だけでなく主演のリンダ・ブレアーが神父に悪態をつくシーンが再現されている。
 この作品は、出演者たちの演技が魅力のひとつでもある。それぞれの役どころで、魅力ある演技を見せてくれている。主演のブッパー役であるチューマーン・ブンヤサックは、少し影がある感じの美人でいい。彼女は、今やタイを代表するセクシー女優である。この作品に出演時には既に多くのTVドラマには出演していたので正確なことは分からないが、本作品が彼女の出世作ではないだろうか?出演時、20か21歳なので、見た目よりも年を取っている?日本で公開された「ミウの歌(ラブ・オブ・サイアム/サイアム・スクエア/The Love of Siam)」<2007年>、「地球で最後のふたり(Last Life in the Universe)」<2003年>、日本の映画祭で上映された「ウモーン・パー・ムアン - 羅生門(アウトレイジ/The Outrage)」<2011年>、日本でDVD化された「ザ・パーク(The Park)」<2003年/香港>などに出演している。
 相手役のクリット・シプームセートは、日本でDVD化されている「マッハ! エンジェル MACH! ANGELS(Dangerous Flowers/Chai-Lai/ไฉไล)」<2006年>にも出演している。エークと関係を持ったお粥屋の娘を演じたチョムプーヌット・ピヤパニーは、日本でDVD化された「パラサイト・デビル(Body Jumper/ปอบ หวีด สยอง)」<2002年>などに出演している。
 警官役で出てくるアディレーク・ワッタリラーともう一人(名前不明)は、タイを代表する警官役者だ。いろいろな作品に警官役で出ている。おそらく、本作で人気が爆発?したのであろう。アディレーク・ワッタリラーは、有名なコメディアン&監督である。
 お粥屋の娘を演じたチョムプーヌット・ピヤパニーは、日本でDVD化された「パラサイト・デビル(Body Jumper)」<2002年>にも出演している。ちょっとグラマーな感じのかわいい子だ。
 また、ダウン症の男優サーヤン・ムアンチャルーンが、出番もセリフも多くおもしろい。ダウン症の俳優は世界でも数少ないそうだが、彼は2008年12月14日に亡くなっている。
 タイのエンターテイメント・サイトSiam Zoneのユーザー評価では、7.20点(満点は10点。投票数5。2014年8月現在)であった。
 ユッタルート・シッパパーク監督には、日本でもDVD化されている「キラータトゥー(Kiiler Tatoo)」<2001年>や「ウォンチョーンピット(Wogchonpit/Heaven and Hell)」<2012年>の中の「第三話/ナロック・チャン 8」、「バンコク・カン・フー(Bangkok Kung Fu)」<2011年>、「フライデー・キラー(Friday Killer)」<2011年>、「サタデー・キラー(Saturday Killer)」<2010年>、「サーム・ヤーン(Sarm Yan)」<2010年>、「ラスト・モーメント(The Last Moment)」<2008年>、「イーティム ターイ・ネー(E-Tim Tai Nae)」<2008年>、「テンズ・エンジェル(Tengs Angel)」<2008年>、「ゴースト・ステーション(Ghost Station)」<2007年>、「ゴースト・オブ・バレンタイン(Ghost of Valentine)」<2006年>、「パタヤー・マニアック(Pattaya Maniac/Sai Lor Fah)」<2004年>などの作品がある。この監督、いい作品と悪い作品が見事に混ざっているのが特徴だ。原題の「ブップパー・ラートリー」とは女子大生の名前だが、「夜の花」という意味がある。



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Author:asianet
 初めてタイ映画を見たのは、東京の渋谷で行われたタイ映画祭。そこで「サラシン橋心中」など社会派作品を見てタイ映画もやるもんだと思ったのですが、その次にタイ映画に出会ったのは何年も後のことで国際線の飛行機内でやっていた「マッハ」。これすごいぞと思ったのでずか、そこまででした。そして仕事の関係で「アタックナンバーハーフ」を見なければならなくなり、いつの間にかタイ映画に病みつきに・・・。

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