バーンカピの田園風景をバックにした古典ラブ・ストーリー/「プレー・カオ」

プレー・カオ/Plae Kao


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 ラブ・ストーリー。クワン(チャイヤポーン・チューリアン)とリアム(ダーウィカー・ホーネー)の愛の物語。セーンセープ運河が流れるバーンカピの農村に住むクワンとリアムは愛し合っていたが、二人の父には因縁があり仲が悪かった。リアムの父は娘の結婚を無理やり決めてしまったが、クワンがそれを壊してしまう。怒ったリアムの父は、彼女を500バーツでバンコクの娘を失った金持ちの夫人(シンチャイ・プレーンパーニット)の元へ売り飛ばしてしまった。数年後、婦人の娘として育てられたリアムは、夫人とともに村へと一次帰省する。そして、彼女はクワンと再会し彼の変わらぬ愛を知り…というストーリー。
 サハモンコン・フィルム作品。マイ・ムアンドゥーム(Mai Muengderm)が有名な民話に基づいて執筆したものが原作で、1940年、1954年、1977年、2001年に次ぐ四度目の映画化となる。TVドラマ化も三回行われている(2014年6月現在)。1977年の作品は「傷あと(The Scar)」(主演:ソラポン・チャートリー)というタイトルで、日本でも1988年の「アセアン映画週間」、1990年の「タイ映画祭」で上映されている。
 原作の正確な内容は知らないが、1977年、2001年の作品とは内容が微妙に違う。しかし、基本的には大きく変わってはいない。全体的にはさすがパンテーワノップ・テーワクン監督という感じで、撮影、美術が素晴らしい。映像がとてもきれいだ。こういう作品は、ぜひ映画館で観てもらいたい。今回は、テーワクン監督お得意?のセクシー・シーンは全くない。
 日本人として観た場合、本作のウイーク・ポイントはラストであろう。テーワクン監督がラストをどう描くか楽しみにしていたのだが、うやむやに描かれてしまっている。この作品のストーリーは、ほとんどのタイ人が知っている。しかし、知らない人が観たら、一体どうなったのか迷う人もいるに違いない。このラストは結構ショッキングなので(おそらく、原作が有名になった大きな要因の一つ)、まともに描くと視聴年齢制限をかけられてしまうのでそれを嫌った可能性もある。2001年の作品には、「18歳超視聴可」という年齢制限が付いている。また、1977年の作品のラストは、やはりあいまいに描かれている。
 作中に、「バーンカピ(บางกะปิ)」「セーンセープ運河(คลองแสนแสบ)」という地名が繰り返し登場してくる。都会であるバンコクに対しバーンカピは田舎として表現されているが、現在ではバーンカピもバンコク都の一部となっている。また、セーンセープ運河もバンコクのバーンカピ区を中心に流れている。
 主演男優であるチャイヤポーン・チューリアンは、最近人気上昇中の男優だ。甘いマスクでちょっとニヤつき過ぎな気もするが、怒りを表すシーンでは迫力のある演技を見せてくれている。彼はテーワクンのお気に入りらしく、「チャンダラー・ジ・アベンジャー」<2013年>、「チャンダラー・ザ・ビギニング」<2012年>、「ウモーン・パー・ムアン - 羅生門(アウトレイジ)」と連続で同監督の作品に起用された。「チャンダラー」では、人気男優のマーリオー・マオラーを相手に堂々と準主役を務めている。
 リアム役ののダーウィカー・ホーネーは、日本の映画祭で上映された「愛しのゴースト(ピー・マーク/(ピー・マーク プラカノーン/Pee Mak Phra Kanong)」<2013年>の主演女優。「愛しのゴースト」とは全く違う感じの演技を披露していて、事前の知識がなければ同一人物だとは思わなかったであろう。
 バンコクの金持ちの夫人役を演じたシンチャイ・プレーンパーニットは、日本で公開された「ミウの歌(ラブ・オブ・サイアム/サイアム・スクエア/The Love of Siam)」<2007年>や日本の映画祭で上映された「一度でたくさん(Once is More than Enough)」<1990年>、「深海の宝石(プロイ・タレー/Ploy Talay/The Gem from the Deep)」<1987年>などに出演しているタイを代表する女優だ。さすが、存在感がすごい。
 パンテーワノップ・テーワクン監督には、日本の映画祭で上映された「ウモーン・パー・ムアン - 羅生門(アウトレイジ/The Outrage)」<2011年>や日本のAV女優西野翔も出演している「チャンダラー・ジ・アベンジャー(Jandara the Avenger)」<2013年>、「チャンダラー・ザ・ビギニング(Jan Dara the Beginning)」<2012年>、「イターニティー(Eternity)」<2010年>、「クワーム・ラック マイ・ミー・チュー(Khwam Rak Mai Mi Chu)」<1990年>、「チャン・プーチャーイ・ナ・ヤ(Chan Phuchai Naya)」<1987年>、「チャーン・マン・チャン・マイ・ケー(Chang Man Chan Mai Khe)」<1986年>などの作品がある。原題は「古傷」という意味。

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Author:asianet
 初めてタイ映画を見たのは、東京の渋谷で行われたタイ映画祭。そこで「サラシン橋心中」など社会派作品を見てタイ映画もやるもんだと思ったのですが、その次にタイ映画に出会ったのは何年も後のことで国際線の飛行機内でやっていた「マッハ」。これすごいぞと思ったのでずか、そこまででした。そして仕事の関係で「アタックナンバーハーフ」を見なければならなくなり、いつの間にかタイ映画に病みつきに・・・。

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