女性監督が描いた、歌手ニコールが主演の女性ミステリー/「ワン・ナイト・ハズバンド」

ワン・ナイト・ハズバンド/One Night Husband


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 ミステリー作品。結婚式を挙げたその夜、夫の携帯に電話がかかってくる。妻シパーン(ニコール・テーリオー)が出ると、女性のすすり泣きが聞こえ切れてしまう。その電話の後、夫は家を出て行きそのまま行方不明となってしまった。シパーンは夫を探すために警察へ届け出を出し、夫の兄チャートチャイ(ポンパット・ワチャラバンチョン)にも協力を求める。やがて、自分の知らなかった夫の一面が分かってくる。兄の家へ通う内に、兄の内気な?妻ブッサバー(シリヤーコン・プックカウェート)と心を通わせるようになるが、彼女は夫から…というストーリー。
 GMM Picture作品。女性監督による、本格的ミステリー。現代のタイ社会における女性の愛と献身を描いたそうだ。脚本もピムパカー・トーウィラ監督が、共同で担当している。冒頭の嵐の中の新婚夫婦のベッド・シーンはとてもミステリアスな雰囲気で、この先の波乱のストーリー展開を予想させてくれる。全編、撮影も演出もトーンが抑えられており、そのあたりは女性ならではの感性が感じられる。中盤はストーリー展開がゆっくりしており、ミステリー・ファンにとっては少々手持ち無沙汰かもしれない。しかし、そこに社会における女性の立場的要素が入って来るのだが、それがこの作品の大きな特徴でもあり魅力ともなっている。
 ラストの兄の家の離れでのシーンは、なかなか迫力があり見ごたえがあった。ストーリー的にもあっと言わせてくれる。また、ここで、強い女性シパーンと弱い女性ブッサバーが入れ替わってしまうのもおもしろい。
 主演のニコール・テーリオーは有名な歌手で、この作品が映画初出演。おそらく、公開当時は主演のニコール・テーリオーに注目が集まったであろうが、準主演の義理の兄嫁を演じたシリヤーコン・プックカウェートの妖しさがこの作品を支えている。彼女は、日本の映画祭で上映された「アイアン・プッシーの大冒険 (アドベンチャー・オブ・アイアン・プッシー/The Adventure of Iron Pussy)」<2003年>には一瞬しか登場してこないが、日本で公開された「わすれな歌(Transistor Love Story)」<2002年>では主演を務めている。この人は人気のある人なのだが、映画出演はたったの四本しかない(2013年現在)。実業家としても知られている。
 夫の兄役であるポンパット・ワチラバンチョンは、日本で劇場公開された「チョコレート・ファイター(Chocolate)」<2008年>、「風の前奏曲(The Overture)」<2005年>、「沈黙の聖戦(Belly of the Beast)」<2004年/アメリカ、他>、「バトル 7(7 Pra Chan Ban)」<2002年/※共同監督も務める>や日本の映画祭で上映された「ウモーン・パー・ムアン - 羅生門 (アウトレイジ/The Outrage)」<2011年>、日本でDVD化された「Deadman デッドマン(Opa Patika)」<2007年>、「タイガーブレード(The Tiger Blade)」<2005年>、「アフロサッカー(Sagai United)」<2004年>など多くの作品に出演している。また、日本でDVD化されている「ミー・マイセルフ 私の彼の秘密(Me...Myself)」<2007年>の監督でもある。
 ピムパカー・トーウィラ監督はプロデュースも行っており、日本の映画祭で上映された「稲の歌(ソングズ・オブ・ライス/The Songs of Rice/Pleng Khong Kao)」<2014年>、「アグラリアン・ユートピア(Agrarian Utopia)」<2009年>ではプロデューサーを務めている。
 第53回ベルリン国際映画祭で、世界初公開されている。日本では、第13回アジアフォーカス・福岡国際映画祭で上映された。英題の「One Night Husband」からは違う内容を想像してしまうが、タイ映画としてはちょっと珍しい本格的ミステリー作品だ。原題は「影のない夜」という意味。

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Author:asianet
 初めてタイ映画を見たのは、東京の渋谷で行われたタイ映画祭。そこで「サラシン橋心中」など社会派作品を見てタイ映画もやるもんだと思ったのですが、その次にタイ映画に出会ったのは何年も後のことで国際線の飛行機内でやっていた「マッハ」。これすごいぞと思ったのでずか、そこまででした。そして仕事の関係で「アタックナンバーハーフ」を見なければならなくなり、いつの間にかタイ映画に病みつきに・・・。

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