タイらしさ200%のブラック・ユーモア・サスペンス/「シックスティナイン」

シックスティナイン/6ixtynin9


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 サスペンス作品。ファイナンス会社のOLであったトゥム(ラリター・パンヨパート)は、折からの経済情勢のため会社を首になってしまう。アパートへ戻ると、何者かがドアをノックした。開けてみると箱があり、その中には大金が入っていたのだ。トゥムは迷いながらもそのお金を自分のものにしようとするが、組織のメンバーがそれを取り戻しに…というストーリー。
 ファイブ・スター・プロダクション作品。日本での配給はアルバトロス・フィルム。いかにもタイらしい、ブラック・ユーモアの効いたサスペンス作品に仕上がっている。コメディー色は決して強くないが、ユーモアのセンスもなかなかいい。首にする社員をおみくじで選ぶというのもおもしろい。部屋番号の「6」の文字が取れかかって逆さになり「9」に見えてしまうというのは、タイ映画では時々あるパターンだ。元祖は、この作品なのかもしれないが。とにかく、ストーリーのつながり方が傑作だ。主人公の女性トゥムは意図せず人を殺す羽目になるし、トゥムの秘密を知ってしまった人物たちも巡り合わせでほとんど全員が死んでしまうというのがすごい。そして、ラストでは、邪魔者がすべて消えてしまったにも関わらずトゥムはお金を○○てしまうのが印象的だ。
 女性が一人だけで死体をいくつも運べるのかとか、アパート内で銃を使ったら銃声がしてしまうだろうとかいろいろとあるが、そのあたりは勘弁できる内容だ。
 主演女優のラリター・パンヨパートは最初はさえない感じがしたが、よく見るとそれなりに美人だ。彼女は、1999年度のスラサワディー賞では主演女優賞を受賞している。興行収入は8.7百万バーツだったらしい。蛇足だが、女性だけではなく男性にも「ノイ」というニックネームが存在することを初めて知った。
 作中でも主人公のトゥムらが解雇されるシーンがあるが、本作が作られたのは1997年に始まったアジア通貨危機の直後のこと。その影響もあってか、この作品が公開された1999年にはタイ映画はたったの10本しか公開されていない。タイ映画が、どん底の時代の作品である。日本で劇場公開された「ナンナーク(Nang Nak)」も、同じ年の作品である。
 奇才ペーンエーク・ラッタナルアン監督には、日本で劇場公開された「インビジブル・ウェーブ(Invisible Waves)」<2006年>、「地球で最後のふたり(Last Life in the Universe)」<2003年>、「わすれな歌(Transistor Love Story)」<2002年>、日本の映画祭で上映された「ヘッドショット(Headshot)」<2011年>、「ファン・バー・カラオケ(Fun Bar Karaoke)」<1997年>や「パラドクソクラシー(Paradoxocracy)」<2013年>、「ニムフ(Nymph)」<2009年>、「サワッディー・バンコク(Sawasdee Bangkok)」<2009年>の中の「サイレンス(Silence)」、「プローイ(Ploy)」<2007年>などの作品がある。原題は、「喜劇69」という意味。



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Author:asianet
 初めてタイ映画を見たのは、東京の渋谷で行われたタイ映画祭。そこで「サラシン橋心中」など社会派作品を見てタイ映画もやるもんだと思ったのですが、その次にタイ映画に出会ったのは何年も後のことで国際線の飛行機内でやっていた「マッハ」。これすごいぞと思ったのでずか、そこまででした。そして仕事の関係で「アタックナンバーハーフ」を見なければならなくなり、いつの間にかタイ映画に病みつきに・・・。

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