2015年のタイ映画界を振り返る(1)/「どん底のタイ映画界」

2015年のタイ映画界を振り返る(1)
「どん底のタイ映画界」


KingNaresuan6Poster2.jpg   ArbatPoster1.jpg
左: 「キング・ナレースアン 6」   右: 「アーパット」


 タイ映画界は、2015年もひどい状況のまま年を終えてしまいました。おまけに、最大のヒット・メーカーであった映画会社のGTH社が、年末で解散分裂するというおまけも付いてしまったから笑えません。タイでは公式の興行収入等の数字が発表されませんので、どれくらい悪いのかを数字で示すことはできません。ですが、当サイト的には、どん底状態はこれで三年続いています。底なし沼状態で、浮上の気配は全くありません。
 とにかく、今のタイ映画界は、「GTH社作品と王室関係以外の作品はヒットしない状態」なのです。実際、今年ヒットした作品はたったの4本しかありませんでしたが、これに該当しなかったヒット作は、「アーパット(Arpat)」1本のみです。悪い見方をすれば、この「アーパット」は、上映中止騒動というスキャンダルがあったからこそのヒットとも言えなくはないのです。
 さて、作品を個別に見て行くと、王室関係の作品「キング・ナレースアン 6(King Naresuan 6)」が、115.11百万バーツでタイ映画の中ではトップの興行収入をあげました。しかし、シリーズ中の過去最低の記録に終わってしまいました。そして、もう一つの王室系と思われる作品「パンターイ・ノラシン(Pantainorasingha)」は、25.32百万バーツとヒットさせることはできませんでした。
 GTH社は「ハート・アタック(フリーレーン..ハーム・プアイ ハーム・パック ハーム・ラック・モー/Heart Attack)」と「メー・フー (メー・ナイ ファイ・レーン・フルー/May Who)」の二本を公開し、それぞれ86.07百万バーツ、72.14百万バーツと両作共ヒットさせましたが大ヒットには至りませんでした。
 タイ映画界同様に不振のどん底にあえぐM39社は、やはりヒット作を生み出すことはできませんでした。「シニアー(ルン・ピー/Senior)」23.34百万バーツ、「ミス・ハッピー(Miss Happy)」18.21百万バーツと、そこそこの数字はあげました。しかし、大宣伝を展開した「チョー・フア・テーン・モー(Joe Hua Tang Mo/The Social Networking Spy)」は、タイ映画史に名前を残すほどの数字の悪さでみごとに沈没(実際の数字は不明)。M39社も、浮上する気配はまったくありません。今年は「スター・ウォーズ」があったからかもしれませんが、同社の毎年恒例の年末作品は公開されませんでした。
 当サイト的にはタイ映画界の救世主になるかもしれないと思っていたトランスフォーメーション・フィルムズ社ですが、主演に大人気女優のパチャラパー・チャイチュア(アム)を起用した「シングル・レディー(Single Lady)」は31.72百万バーツとヒット・ラインには届きませんでした。もう一本の公開作「チャルイ テ・コープ・ファー(Chalui Te Khop Fa)」は、多くのスクリーンで上映したにもかかわらず2.5百万バーツと信じられないような低い数字に終わりました。
 そして、ヒット作が出ないために、苦し紛れで?で数字が落ちてきているのを承知でヒット・シリーズの続編が次々に作られました。「ホー・テーオ・テーク ヘーク・ナ・カ(Hor Taew Tak 5)」は23.15百万バーツ、「モー 6/5 パーク・マー・ター・ピー 3(Mo 6/5 Pak Ma Tha Phi 3)」は12.02百万バーツに終わりました。
 ヒット・メーカーの監督パンテーワノップ・テーワクンによる「メー・ビア(Mae Bia)」は年齢制限が響いたかもしれませんが、20.18百万バーツとヒット・ラインを超えることはできませんでした。
 プラナコーンフィルムの人気男優大勢登場映画の「ロードー・カオ・チョン・ピー(Ror Door Khao Chon Pee)」は8.23百万バーツ、「ゼアズ・サムシング・アバウト・トット(There's something about Tott)」は5.54百万バーツと惨敗でした。タイ最大手の映画会社サハモンコン・フィルムも鳴かず飛ばずといった感じの成績に終わりました。
 悪いことばかりを紹介して来ましたが、いいことはなかったのでしょうか?良かったのは「アーパット」だけですね。内容に問題があるとして公開直前に上映差し止めとなり、問題個所を修正してすぐに公開したことから話題を呼びヒットしたともいえる作品ですが、ヒット・ラインを超えたのは大したものです。
 タイ映画は全体的に興行収入も悪かったのですが、それだけでなく作品の内容もかなり悪かったと思います。本当に、このままではタイ映画界はどうなってしまうのでしょうか?個人的には、作品全体のクオリティーを上げることが急務だと思うのですが。さて、2016年は・・・。
(つづく)

[ 参 考 ] タイ映画ライブラリー


にほんブログ村

テーマ : 映画情報
ジャンル : 映画

コメントの投稿

非公開コメント

タイ映画のDVDなら by eThaiCD .com

タイからDVDなどの取り寄せが可能です
プロフィール

asianet

Author:asianet
 初めてタイ映画を見たのは、東京の渋谷で行われたタイ映画祭。そこで「サラシン橋心中」など社会派作品を見てタイ映画もやるもんだと思ったのですが、その次にタイ映画に出会ったのは何年も後のことで国際線の飛行機内でやっていた「マッハ」。これすごいぞと思ったのでずか、そこまででした。そして仕事の関係で「アタックナンバーハーフ」を見なければならなくなり、いつの間にかタイ映画に病みつきに・・・。

AD by AdMax
AD by AdMax
カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
タイ映画 by Amazon
月別アーカイブ
ランキング
検索フォーム
リンク
ニュー・リリース作品       by Amazon
twitter
RSSリンクの表示
twitter(タイ映画)
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも一覧
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ