意外によくできている迷作、元祖「アタック・ナンバーハーフ」(2000年)

アタック・ナンバーハーフ/The Iron Ladies(Satree-Lex)
(2000年)


IronLadiesPoster11.jpg


 今月、「アタック・ナンバーハーフ」のリメイク版が劇場公開されますので、再び元祖版を紹介します。

 バレー・ボールを扱ったスポーツ・コメディー・ドラマ。新しい県代表チームの監督が新たに選手を選抜したところ、その多くがオカマの選手であった。また、監督自身もオナベであったのだ。なんと、このオカマさん中心のチームが、予選を勝ち上がり国体に出場。そして、国体でも…というストーリー。
 タイ映画界が、映画界始まって以来のどん底にあえいでいた時に誕生したタイ映画史に残る作品(2000年は経済危機と外国映画に押され、年間の公開本数がたったの9本にまで落ち込んでいた)。
 実際にあった出来事を基に作られた作品だというから驚きだ。1996年にオカマの選手を中心としたラムバーン県のバレー・ボール代表チームが、予選を勝ち抜いただけでなく国体に出場し全国優勝を果たした実話を描いたもの。
 観る前はくだらないコメディー作品かと思ったのだが、さにあらず。テンポのよさと役者達の個性で、観客をそこそこ楽しませてくれる内容になっている。ただし、残念ながら、試合展開のおもしろさは描かれていない。
 タイでは、大ヒットしたとのこと。日本でもタイ映画としては珍しく話題になり、書籍のオフィシャル・ガイドまで発売されている。日本配給は、クロックワークス。
 チュン役のチャイチャーン・ニムプーンサワットが、なんともかわいらしいキャラクターの演技を披露してくれている。彼の演技が、この作品の成功した一因でもある。映画出演は三作しかないようで(2014年10月現在)、本シリーズの二本以外には日本でDVD化された「パラサイト・デビル(Body Jumper)」<2002年>でウー(วู)役で出演している。
 オカマさんたちのチームの中でただ一人、ストレートな男性役のチェートダーポーン・ポーンディーは、日本で劇場公開された「アイ 2(The Eye 2)」<2005年/※香港、タイ>や日本の映画祭で上映された「ランカスカ海戦 パイレーツ・ウォー(Queens of Langkasuka)」<2008年>などに出演している。とてもハンサムな人だ。
 バレー・ボール・チーム「サトリー・レック」の中で、実生活でもオカマさんなのはコッコーン・ベーンチャーティクーン一人だけ。彼女?はモデルとしてCM出演の経験もあり、これが映画デビュー作。なかなかの美貌の持ち主だ。
 オナベの監督役のシリタナー・ホンソポーンも、温かみがあってよかった。彼女は作詞もするそうで、本作では彼女が作詞した歌が二曲使われている。
 オカマさんの三つ子の役をやった三人も、息がぴったりだった。この三人、エイプリル役のプロマシット・シッティチャムルーンクンとメイ役のシッティポン・シッティチャムルーンクンは双子の兄弟だが、ジューン役のアヌチャー・チャッケーオは血がつながっていない。アヌチャー・チャッケーオは、本作に出演しているチャイチャーン・ニムプーンサワットが所属する大手モデル事務所のオーナーだとのこと。
 作品のエンドロールで実在の人物達が登場してくるのだが、本物のスパイクはすごかった。2002年にはシリーズ二作目「アタック・ナンバーハーフ 2 全員集合!(Iron Ladies 2)」も作られ、日本でも公開されている。また、2014年には、「アイアン・レディーズ(The Iron Ladies)」というタイトルでリメイクされている。ベルリン国際映画祭などで賞を受賞した。
 ヨンユット・トーンコーントゥン監督には、日本で劇場公開された「アタック・ナンバーハーフ 2 全員集合!(Iron Ladies 2)」<2002年>、日本の映画祭で上映された「ベスト・オブ・タイムズ(Best of Times)」<2009年>や「フォウビア(Phobia)」<2008年>の中の「ロウンリネス(Loneliness)」、「ケーン・チャニー・カップ・イーエープ(メトロセクシュアル/Gang Chanee Gub Eabb/Metrosexual)」<2006年>、「メイド(M.A.I.D)」<2004年>などの作品がある。第三の姓を扱ったコメディーからハート・フルな作品、本格的ホラーまで、幅広い作品に能力を発揮している。ちなみに、監督の出身もラムバーン県だそう。
 邦題の「アタック・ナンバーハーフ」とは、もちろん、アニメの「アタック No.1」から付けたもの。原題の「サトリー・レック」とは主人公らの所属しているチーム名で、「鋼鉄の淑女」を意味している。



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Author:asianet
 初めてタイ映画を見たのは、東京の渋谷で行われたタイ映画祭。そこで「サラシン橋心中」など社会派作品を見てタイ映画もやるもんだと思ったのですが、その次にタイ映画に出会ったのは何年も後のことで国際線の飛行機内でやっていた「マッハ」。これすごいぞと思ったのでずか、そこまででした。そして仕事の関係で「アタックナンバーハーフ」を見なければならなくなり、いつの間にかタイ映画に病みつきに・・・。

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