すごいです!25日公開のタニヤ嬢を描いた「バンコクナイツ」が大入り満員。立ち見も大勢

すごいです!
25日公開のタニヤ嬢を描いた「バンコクナイツ」が大入り満員
立ち見も大勢


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 この作品をテアトル新宿の公開の初日に観に行ったのですが、満席でした。しかも、立ち見の人もたくさんいたのです。これって、すごいことですよね。それに、立ち見のある上映を観たのは何年振りだったしょうか? 映画が、大入り満員というのはうれしいものです。

 イサーン(タイ東北部)のノーンカーイ県からバンコクへ働きに来ているタニヤ嬢ラック(スベンジャ・ポンコン)の愛や家族との葛藤、生活環境、スケベで間抜けな日本人や彼女を取り巻く人々の出身などを織り交ぜて描いたドラマ。
 配給は空族(クゾク)。クラウドファンディングによって製作された。目標1千万円に対して、集まった金額は11,302,862円であった。18禁になっていないことからも分かるように、裸は出てこない。第69回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に出品された。
 上映時間は182分に及ぶ。長尺であるにもかかわらず、作品の幹となるメインのストーリー性が薄いのはつらい。確かに、ラックとその周囲の人々の生き様を描く一つ一つのシーンは魅力的な部分もあるし笑えるシーンもある。だが、そのシーンとシーンとが、物語としてつながっていかないのだ。こういう展開だと、3時間もの長きにわたり観客を飽きさせないのは難しいであろう。
 また、ラストもよく分からない。というか、これで終わりなの?という感じである。結末を、はっきりとは描いていないのだ。登場人物がどうなっていくかは、観客の想像にお任せしますということなのであろうか? 同監督の「同じ星の下、それぞれの夜」<2012年/日本>の中の「チェンライの娘」でも同じような終わり方であったので、これがこの監督の作風なのであろう。
 ラスト直前に、ラックの恋人であるオザワ(監督自身が演じている)が銃を購入するシーンがある。これは、一体どうしてなのであろうか?ここでクイズを一つ。
問: オザワはどうして銃を購入したのでしょう?
1.趣味で買った。
2.自殺するため。
3.好きだった女性ラックを殺すため。
4.好きだった女性ラックと仲のいい男性を殺すため。
5.護身用。
6.ヒット・マンに職替えをしたから。
申し訳ないが、答えは分からない。こういうはっきりしないところが多いのが、本作の弱点であろう。
 また、本作にはとても多くの要素が入れられている。これは、ちょっと詰め込み過ぎのような気がする。「娼婦」「楽園」や「タイで女性と遊ぶ日本人」「エイズ」「薬」「幽霊」「ベトナム戦争」「自衛隊」「PKO」「植民地」などなど。だが、それらの中には、どれくらいの観客が理解できるのであろうか?と思えるものも多い。たとえば、「(ベトナム戦争後)アメリカに見捨てられたモン族」「エア・アメリカ(ベトナム戦争時代の航空会社)」「ディエンビエンフー(フランス軍がベトナム軍に大敗したベトナムの地)」などは、説明なしでどれほどの観客が理解できるのであろうか? 作中に、ラオスのバンビエンにある大きなクレーターが出てくる。しかし、それが、ベトナム戦争時の爆撃の跡であるという説明はない。
 また、ちょっと不思議な部分も多い。たとえば、本作に登場するようなひな壇がある店が、タニヤにあるのであろうか? それに、ラックが、気に入らない客だと断るシーンがある。これは、通常はできないはずである。もし、タニヤで働く女の子が指名を断ったら、店の顔に泥を塗ったことになりその店を首になってしまうはずである。
 そして、ラックの弟が得度する(仏門に入る)ことを嫌がり軍隊に入りたがるエピソードがあるが、一般的には、これは全くの逆である。軍隊は厳しい訓練を受けなければならず、しかも紛争エリアの南部へ派遣されると命の危険にもさらされる。そのため、通常は軍隊に入りたがらないタイ人はとても多い。まあ、映画はフィクションなので、事実通りでなくてはならないということはないのだが。
 ラックの母が小さな娘インに冷たく当たるのに(その理由もわからない。薬でもやっているのか?)、インと息子のジミーは姉のラックの誘いを断り母親と共に暮らすことを選ぶ。どうしてなのであろうか? そもそも、ラックと母親の仲が悪くなった理由も分からない。
 随所で音楽(歌)のシーンもあるのだが、もっと攻めて来るかと思ったがそれほどでもなかった。幽霊役で出てくる男性はスラチャイ・ジャンティマトンという名のミュージシャンで、プア・チーウィットの開祖だそうだ。
 出演した女の子たちは、本物のタニヤ嬢らしい。監督が現地へ3~4年通い、信頼関係を築き出演にこぎつけたのだとか。これは、かなり大変であっただろう。
 本作は、一部で高評価されている。だが、分かりにくい点が多く、残念ながら万人受けする作品とは言い難い。
 富田克也監督には、「同じ星の下、それぞれの夜」<2012年>の中の「チェンライの娘」などの作品がある。

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テーマ : 日本映画
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No title

ひな壇のあるカラオケはアテッサでしょう。購入したガイドブックにも撮影協力のリストに載っています。私が初めてバンコクに行った時に、ネットで見てアテッサに行きました、

Re: No title

 タニヤにもひな壇があるとは知りませんでした。情報、ありがとうございました。一度、見てみたいですね。

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asianet

Author:asianet
 初めてタイ映画を見たのは、東京の渋谷で行われたタイ映画祭。そこで「サラシン橋心中」など社会派作品を見てタイ映画もやるもんだと思ったのですが、その次にタイ映画に出会ったのは何年も後のことで国際線の飛行機内でやっていた「マッハ」。これすごいぞと思ったのでずか、そこまででした。そして仕事の関係で「アタックナンバーハーフ」を見なければならなくなり、いつの間にかタイ映画に病みつきに・・・。

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