第31回東京国際映画祭で上映の、心温まるタイ・コメディー「ブラザー・オブ・ザ・イヤー」
心温まるタイ・コメディー「ブラザー・オブ・ザ・イヤー」
<2018年>

第31回東京国際映画祭で上映の、心温まるタイ・コメディー「ブラザー・オブ・ザ・イヤー(最愛の人/Brother of the Year)」<2018年>です。上映日は、10月28日(日)と29日(月)予定です。調べた時点で、28日の前売りは売り切れ、29日は残席少々となったいました。この作品を観たのは二回目なのですが、とてもいいですね。今回、映画祭のプレス用上映で観させていただきました。視聴したのは38人。座席的にはガラガラでした。まあ、タイ映画の上映時はいつもこの程度です。まだまだ、タイ映画の認知度は低いということなのでしようね。
ドラマ。兄のチャット(サンニー・スワンメターノン)は幼少の頃から出来が悪く、妹のチェーン(ウラッサヤー・スプーバン)は逆に出来が良かった。二人はお互いに兄弟愛を持っていたが、いつしかそれがすれ違うようになり・・・というストーリー。
GDH559社作品。興行収入は、146.45百万バーツと大ヒットとなった。日本では、「第31回東京国際映画祭」で上映。
ライト・コメディー調の兄妹愛を描いた物語。脚本がなかなかの優れもので、観客を笑いと共に物語の中に引きずり込んでいく。全体的に、心温まるストーリーとなっている。
出演者たちもいい。いつも同じような役をやっているような気がしないでもないが、兄役のサンニー・スワンメターノンは貫禄の演技だ。そして、なんといっても、妹役のウラッサヤー・スプーバンがすばらしい。可愛らしさだけではなく、演技力があるところを見せてくれた。一時、兄のチャットと結ばれるかと思われた同僚役のマナッサポーン・チャーンチャルームも存在感があり、今後に期待したい人だ。タイ人には分からないであろうが、ニチクン・バック・ホルベチクルのちょっと変な日本語もおもしろかった。彼を起用したのは正解であったと思う。また、変な日本人たち(タイの映画ではよくこのような描き方をされるのだが)も笑える。
ちょっと不思議だったことがある。ウラッサヤー・スプーバンは、ボールを右手で投げていたので右利きである。なのに、なぜバッター・ボックスでは左なのだ? 彼女が野球の類をやっていたとは思えないので、撮影の都合だったのであろうか? ちなみに、MVでは、彼女は右のバッター・ボックスに入っています。また、野球関連で言うと、プロポーズの方法(婚約指輪の渡し方)もしゃれていた。
妹が、兄のことを「ピー・コーイ(พี่ขอย)」と称していた。「ピー(พี่)」とは年上の人に対する敬称なので、敢えて訳すと「お兄さん」となる。そして、「コーイ(ขอย)」というタイ語なのだが、分厚い辞書で調べても載っていない。東京国際映画祭上映時の日本語字幕では「ヘタレ」(「情けない」という意味)となっていたが、このタイ語にはどのような意味があるのだろうか?
主演男優のサンニー・スワンメターノンは、日本の映画祭で上映された「ダイ・トゥモロー(Die Tomorrow)」<2017年>、「ギフト(ニュー・イヤーズ・ギフト/A Gift/New Year's Gift)」<2016年>、「フリーランス(ハート・アタック/Freelance/Heart Attack)」<2015年>、「アイ・ファイン、サンキュー、ラブ・ユー(I Fine..Thank You..Love You)」<2014年>、「セブン・サムシング(Seven Something)」<2012年>、「バンコク・トラフィック・ラブ・ストーリー(Bangkok Traffic Love Story)」<2009年>、「ディアー・ダーカンダー(親友/ディアー・ダカンダ/Dear Dakanda)」<2005年>などに出演している。
主演女優のウラッサヤー・スプーバンは、映画初出演。ニチクン・バック・ホルベチクは、日本の映画祭で上映された「セブン・サムシング(Seven Something)」<2012年>の中の「42.195」などに出演している。
釣りをしている場面に出てきたチャルームポン・ティカマポーンティラウォンは、「フェーンチャン ぼくの恋人」で太ったいじめっ子役を演じた男優。
ウィッタヤー・トーンユーン監督には、日本で公開された「フェーンチャン ぼくの恋人(Fan Chan)」<2003年>(共同監督)、日本の映画祭で公開された「恋するリトル・コメディアン(The Little Comedian)」<2010年/共同監督>や「ビター・スイート ボイド・ポッド ザ・ショート・フィルム(BitterSweet BoydPod The Short Film)」<2008年>の中の「ラック・クン・カオ・イーク・レーオ」、「ポシブル(The Possible)」<2006年>、日産タイランドによるMARCH用のショート・ムービー「ラブ・アット・ファースト・マーチ」<2013年>などの作品がある。原題は、「兄、妹、最愛の人」というような意味。
◆第31回東京国際映画祭
[詳細] タイ映画ライブラリー

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MV「ラック・ノーン・コンディア~オ(รักน้องคนเดียวววว)」