FC2ブログ

第31回東京国際映画祭で上映の4人の監督が描いた自国タイの10年後「十年 Ten Years Thailand」

第31回東京国際映画祭で上映の
4人の監督が描いた自国タイの10年後
「十年 Ten Years Thailand」


TenYearsThailandPoster1.jpg


 プレス用の上映で観て来ました。入場者は80人以上で、座席はかなり埋まっていました。他の二作品のタイ映画「ブラザー・オブ・ザ・イヤー」「BNK48:ガールズ・ドント・クライ」とは、大違いです。おそらく、アピチャーポーン・ウィーラセータクン監督のネーム・バリューですね。ただし、理由は分かりませんが、三人ほどが途中退席しましたげとね(笑)。
 この作品、タイ本国では12月公開予定ですが検閲に通るかどうかが問題らしいのです。もしも私が政府側の人間なら、「サンセット」は明らかに政府を批判しているので(表向きはそうではありませんが)、検閲は通しませんがね。見方によっては、「キャットピア」「プラネタリウム」も政府を批判していると取れなくもありません。また、「ソング・オブ・ザ・シティー」でさえ、ただ銅像を映しているだけですが、考え方によっては・・・。
 本作は、11月2日(金)15:50からの上映予定もあります(要確認)。調べた時点での前売りは、まだ残っていました。


 4人の監督による4本のオムニバス作品。オムニバス形式の作品で、10年後の自国を描く「十年」プロジェクトの中の一つの作品。このタイ編の他に、香港編、日本編、台湾編が製作されている。2018年のカンヌ国際映画祭に出品されている。日本では、第31回東京国際映画祭で上映された。

【サンセット】
 モノクロ作品。シンプルだが、映像的にはいい出来だ。だが、短編とはいえ、ストーリーとして完結していないような感じを受ける。また、主人公は軍隊をかばっているのだが、作品内容は明らかに軍政批判のように受け取れる。はたして、この内容で、自国において公開できるのであろうか?

【キャットピア】
 物語の起承転結が、一番はっきりしていたのはこの作品。緊迫感、倦怠感もあり、映像的にはおもしろい。東京国際映画祭の解説で、ネタバレが起きていたので、残念ながら冒頭の走っていく人たちを映したカメラワークにサプライズは起きなかった。アンダー・ヘアー無修正で、裸の女性が出てきた時には少々驚いた。この作品も、見方によっては政府批判と取れないこともないが・・・。

【プラネタリウム】
 一体、この作品は何を言いたいのであろうか? 一瞬、王室批判かとも思ったのだがそうではない。新興宗教批判?仏教批判? いや、まったく分からない。独裁者の出現を警告しているという意見もあるのだが、意味が分からないので、カラフルな映像も陳腐に見えてしまう。

【ソング・オブ・ザ・シティー】
 真打ち登場のこの作品、例のごとく、物語がないように思える。よって、何を伝えたいのだかは理解不能だ(分かる人には分かるのかもしれないが)。撮影は、コンケーン大学のサリット・タナラット(Sarit Tanarat/1908~63年)元首相の銅像建築現場を中心にして撮影されたのだろうか? サリット・タナラット元首相は軍人で、クーデターによって政権の座に就いた。そして、民選議会を廃止し、首相に大きな権力を与えた暫定憲法を施行した人である。ただ、一方では、タイの経済を発展させた功績もある。ということで、この方とどなたかを対比させたいのかなと思ったりもするのだが・・・。

 アーティット・アットサラット監督には、日本の映画祭で上映された「ハイソ( Hi-So)」<2010年>や「サワッディー・バンコク(Sawasdee Bangkok)」<2009年>の中のの「バンコク・ブルース(Bangkok Blues)」などの作品がある。
 ウィシット・サーサナティアン監督は、日本で公開された「カメリア(Camellia)」<2010年/韓国、日本、タイ>の中の「アイアン・プッシー(Iron Pussy)」、「シチズン・ドッグ(Citizen Dog)」<2004年>、「怪盗ブラック・タイガー(Tears of The Black Tiger)」<2000年>、日本でDVD化された「レッド・イーグル(Red Eagle)」<2010年>や「シニアー(ルン・ピー/Senior)」<2015年>、「サワッディー・バンコク(Sawasdee Bangkok)」<2009年>の中の「サイトシーイング(Sightseeing)」、「見えざる者(アンシーアブル/The Unseeable)」<2006年>などを手がけている。
 アピチャーポーン・ウィーラセータクン監督は、2010年の第63回カンヌ国際映画祭でタイ映画として初めてパルムドール(最高賞)に輝いた。日本で公開された「光の墓(Cemetery of Splendour)」<2015年/タイ、イギリス、フランス、ドイツ、マレーシア>、「ブンミおじさんの森(Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives)」<2010年>、「世紀の光(シンドロームズ・アンド・ア・センチュリー/Syndromes and a Century)」<2006年>や日本の映画祭で上映された「メコン・ホテル(Mekong Hotel)」<2012年/タイ、イギリス、フランス>、「トロピカル・マラディー(Tropical Malady )」<2004年>、「アドベンチャー・オブ・アイアン・プッシー(The Adventure of Iron Pussy)」<2003年>、「真昼の不思議な物体(Mysterious Object at Noon)」<2000年>や「アッシュズ(Ashes)」<2012年>、「モバイル・メン(Mobile Men)」<2008年>、「アンセム(The Anthem)」<2006年>、「真昼の不思議な物体(Mysterious Object at Noon)」<2000年>などの作品がある。

◆第31回東京国際映画祭

[詳細] タイ映画ライブラリー

にほんブログ村 映画ブログ 華流・アジア映画(韓国以外)へ
にほんブログ村

タイ・ブログランキング

「Ten Years in Thailand new clip official from Cannes – 1/3」


「Ten Years in Thailand new clip official from Cannes – 2/3」


「Ten Years in Thailand new clip official from Cannes – 3/3」


テーマ : アジア映画
ジャンル : 映画

コメントの投稿

非公開コメント

え?

楽しみにしていましたが、タイでは公開されない可能性もあるのですね。2015年東京国際映画祭の「スナップ」もそうでしたが、タイより先に日本で公開される映画もあるのですね。「スナップ」は東京で見ることができましたが、今回残念なことにならなければいいと思います。

11月は公開映画が多そうなので楽しみです。

Re: え?

 この作品は、観た人によっていろいろな解釈ができるように作ってあります。ですが、一方的な見地で見ると、痛烈な政府批判をしているとしか思えません。やるかどうか分かりませんが、選挙も近いですしね。ですので、検閲が通りますかどうか?

 「タイよりも先に日本で公開される」というか、「世界各地の映画祭を回ってからタイで公開される」というパターンですね。これは、映画祭側が資金を出している、各地の映画祭で賞を取れるものなら取ってからタイで公開した方がいいということなのでしょう。

 11月は、「ナーキー 2」と「ホームステーイ」がロングランすると、私の訪タイ期間中に6本のタイ映画がかかっていることになります。そして、そのすぐ後にももう1本公開予定です。でも、時間がないのですよ。今回は特に。

タイ映画のDVDなら by eThaiCD .com

タイからDVDなどの取り寄せが可能です
プロフィール

asianet

Author:asianet
 初めてタイ映画を見たのは、東京の渋谷で行われたタイ映画祭。そこで「サラシン橋心中」など社会派作品を見てタイ映画もやるもんだと思ったのですが、その次にタイ映画に出会ったのは何年も後のことで国際線の飛行機内でやっていた「マッハ」。これすごいぞと思ったのでずか、そこまででした。そして仕事の関係で「アタックナンバーハーフ」を見なければならなくなり、いつの間にかタイ映画に病みつきに・・・。

AD by AdMax
AD by AdMax
カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
タイ映画 by Amazon
月別アーカイブ
ランキング
検索フォーム
リンク
ニュー・リリース作品       by Amazon
twitter
RSSリンクの表示
twitter(タイ映画)
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも一覧
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ