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猟奇的な本格派エロティック・スリラー

パッション / The Passion


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 サルンヨー・ウォンクラチャンによる、自作自演の本格的スリラー作品。物語は映画館(シネマ・コンプレックス)内で展開する。強姦シーンを撮影したビデオ・テープとそれと引き換えに支払われた現金を巡って繰り広げられる、猟奇的な殺し合い。そして、錯綜する男と女の愛と性が・・・というストーリー。
 作品の冒頭で、映画館の客席に座っている女性プレーオ(ボンコット ・コンマーライ)が、刃物で自殺をしようとする。そして、彼女をレイプしようとする異常者の映画館主(サルンヨー・ウォンクラチャン)。それに、映画館で働く掃除婦(プラーントーン・チャンタム)につきまとっていい寄る男。しかし、彼女は映画館内で働く薬中?の男を好いている。そして、トイレ内で男に強姦されるプレーオとそれを天井裏からビデオで撮影する男。これらの一見何の関係もなさそうな人物たちの関連性が、物語が進むにつれて明らかになってくるのがすごい。アメリカや日本の映画では決して珍しいストーリー展開ではないのだが、この手のものは脚本力が弱いタイ映画ではとても珍しい。ラストでは、観客をそうだったのかとうならせてくれる。
 コメディー的要素がなくしかもここまで猟奇的なスリラーは、タイ映画では観た覚えがない。この作品のムードを盛り上げているのは、何といってもスランユー・ウォンクラチャーンとボンコット ・コンマーライの主演男女優二人である。特にサルンヨー・ウォンクラチャンの異常さは、観ている者にものすごい恐怖感というか猟奇性を与える。ただ、監督もしているせいか、ボンコット ・コンマーライとの直接のからみは意外に少ない。
 主演女優のボンコット ・コンマーライは、タイを代表するグラマーなセクシー女優だ。日本でもDVD化されている「マッハ! エンジェル MACH! ANGELS(Dangerous Flowers)」<2006年>、「トム・ヤム・クン(Tom Yum Goong)」<2005年>、「ラスト・ウォリアー(Kunpan: Legend of the War Lord)」<2002年>に出演しているので、ご存知の方もいるであろう。今回、彼女のアクションシーンは多い。男を殴りつけたかと思えば投げ飛ばされという感じで、どこまで本人がやっているかは分からないがかなりの奮闘ぶりだ。髪の毛を短く切った姿もなかなか魅力的である。
 そして、肝心の彼女のセクシー・シーンだが、裸は出てこない。しかし、ずぶ濡れのパンツ姿はかなり色っぽい。そして、下着姿で宙刷りで逆さになるシーンがあるのだが、かなりグラマラスなだけあってバストの迫力はすごいものがある。気の強い掃除婦役のプラーントーン・チャンタムも好演している。
 かなり評価できる作品だと思うのだが、興行的にはUS$225,000と大きくこけている。タイでは受けない内容なのであろうか?ポスターもすごい。タイでこんなエロティックなものを掲示できるのかと思われるような内容だ。
 監督のサルンヨー・ウォンクラチャンは、俳優として日本でもDVD化されている「マッハ!参!!!(Ong-Bak 3)」<2010年>、「マッハ! エンジェル くノ一 Mission(The Vanquisher)」<2009年>、「マッハ!弐(Ong-Bak 2)」<2008年>、「THE KING 序章 ~アユタヤの若き英雄~(King Naresuan Episode1)」<2007年>、「レベル・サーティーン(13 Beloved)」<2006年>や「カワオ・アット・バーン・プレーン(Kawao At Bangpleng)」<1994年>などに出演している。たぶん、映画を監督したのは本作が初めて。原題は「残忍な愛情」という意味。

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Author:asianet
 初めてタイ映画を見たのは、東京の渋谷で行われたタイ映画祭。そこで「サラシン橋心中」など社会派作品を見てタイ映画もやるもんだと思ったのですが、その次にタイ映画に出会ったのは何年も後のことで国際線の飛行機内でやっていた「マッハ」。これすごいぞと思ったのでずか、そこまででした。そして仕事の関係で「アタックナンバーハーフ」を見なければならなくなり、いつの間にかタイ映画に病みつきに・・・。

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